ニュース
魚網製造時の端材を使う「漁網to漁網リサイクル」システムを共同構築:脱炭素
東レは、日東製網および大洋エーアンドエフと共同で、魚網製造時に発生する端材などを再資源化し、魚網の原料として再利用する「漁網to漁網リサイクル」のシステムを構築すると発表した。
東レは2022年11月24日、日東製網および大洋エーアンドエフと共同で、魚網製造時に発生する端材などを再資源化し、魚網の原料として再利用する「漁網to漁網リサイクル」のシステムを構築すると発表した。
近年、漁業においても、使用する漁具類を環境に配慮したものに切り替えようという動きが国内外でみられる。しかし、漁網のリサイクルシステムの構築は、これまで世界的にも例がなかった。
今回構築するリサイクルシステムでは、産業廃棄物として処理されてきた魚網製造時の工程くずを再資源化して、原料の一部に利用する。魚網の工程くずから再生されたナイロン材料は、成形品などに使用されてきたが、強度や耐久性が落ちるため、魚網用原糸へのリサイクルには適さないとされてきた。
東レは、独自技術によって再生ナイロン樹脂を原料の一部に使用しつつ、再生素材を用いない製品と同等の物性を持つ魚網用原糸を開発。この原糸から日東製網が魚網を製造する。製造した魚網は、大洋エーアンドエフが運航する漁船に試験導入する。
リサイクル漁網は、試験導入の結果を検証した後、2023年4月から販売の予定。同時に大洋エーアンドエフでは、今回開発した魚網の利用範囲や利用割合の拡大に向け、実用化を検討していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 廃漁網から作った再生ナイロン、バージン素材比でCO2排出量を85%削減
リファインバースは「第2回サステナブル ファッション EXPO」(2022年4月6〜8日、東京ビッグサイト)において、使用済み漁網などを原料とする再生ナイロン素材「REAMIDE(リアミド)」を活用したアパレル製品などを展示している。 - 大和研究所、再生材使用率95%のリサイクル材料や低温はんだを「ThinkPad」へ
レノボ・ジャパンは、オンライン記者説明会「レノボ大和研究所 サステナブルな製品開発について」を開催し、「ThinkPad」に代表されるレノボ製PCにおけるサステナブルな製品開発の取り組みと、パートナー企業との協業により実現した環境負荷を低減させる要素技術について説明した。 - 深刻な材料不足と高騰化、設計現場で何ができるか?
2022年は引き続き、半導体不足とともに、樹脂不足が製造業に大きな影響を与える見通しです。材料や調達部品が手に入らず、代替品の利用を検討するなど各社対策を講じ始めていますが、設計現場として何かできることはないでしょうか? 「樹脂使用量の削減」「部品点数の削減」「代替品への対応」という3つの視点で、どのようなアプローチがとれるのか、その可能性について考えていきます。 - CFRPリサイクル技術の進展、そして次への展開を推察する!
CFRP素材普及の最大のネックともいえるリサイクル技術ではどの企業が優位? 航空・宇宙、自動車の次に各社が狙う市場も調査。 - ガンプラ組み立て後のランナーを新たな商品・電力へ、BANDAI SPIRITSがリサイクルプロジェクト始動
バンダイナムコグループのBANDAI SPIRITS、バンダイナムコアミューズメント、ロジパルエクスプレス、バンダイナムコホールディングスの4社は、機動戦士ガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」のランナーを回収し、“世界初”となる「ケミカルリサイクル」によるプラモデルの製品化を目指す「ガンプラリサイクルプロジェクト」をスタートさせた。 - かつおだしでレアアースをリサイクル!? アイシンが有機溶媒不要のプロセスを確立
アイシン・コスモス研究所は、「人とくるまのテクノロジー展2014」において、かつおだしの主成分であるイノシン酸を用いたレアアース回収技術を紹介した。