複数ロボットを一元管理するソリューションにAI人物認識機能を搭載:人工知能ニュース
凸版印刷は、種類が異なる複数のサービスロボットを一元管理するデジタルツインソリューション「TransBots」向けのAIシステムを開発した。AI実装後の実験では、各ロボットから送られてくる画像から人物を認識し、クラウド上で確認できた。
凸版印刷は2022年11月21日、種類が異なる複数のサービスロボットを一元管理するデジタルツインソリューション「TransBots(トランスボッツ)」向けのAI(人工知能)システムを開発したと発表した。
TransBotsは、展示会場などの実空間とVR(仮想現実)空間をリアルタイムに連動させ、種類が異なる複数のサービスロボットを一元管理して、制御できる。このTransBotsの多機能コンソールに新開発のAIシステムを実装し、走行する複数台のロボットを介して人物を認識する実証実験を実施した。
実験では、各ロボットから送られてくる画像をクラウド上のAIエンジンが解析、集計して、事前に画像を登録した人物を認識可能か検証した。その結果、種類の異なる各ロボットのカメラ画像から人物を認識して、クラウド上で一元的に確認できることが分かった。また、人物の認識だけでなく、TransBots上のロボットの位置情報を基に、対象人物の位置も特定できた。
ロボットが認識した画像はサーバに保存、記録され、ダッシュボード上で撮影画像を一覧できる。クラウド上で人物認識をするため、ロボットにエッジコンピュータを搭載する必要がなく、コスト削減にもつながる。
TransBotsの多機能コンソールは、ロボット管理Webダッシュボードやライブ映像配信、設備通信、多拠点遠隔集中制御、映像保存、サイネージなどの機能を備える。ロボットから集約した映像や音声データをクラウド上のロボティクスHUBに集約し、さまざまな分野に適したアプリケーションコンソールとして提供する。
同社は今後、労働力不足の解消や働き方改革に貢献すべく、TransBotsなどデジタルツインを可能にするソリューションを、警備や顧客分析、誘導、案内、搬送、清掃など多様な分野に適用していく。
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