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捨てる“お米”をプラスチックに、皿や革製品など「ライスレジン」の用途拡大環境配慮型素材

バイオマスレジンホールディングスは「第2回サステナブル マテリアル展」(2022年12月7〜9日、幕張メッセ)において、お米の国産バイオマスプラスチック「ライスレジン」と、そのさまざまな活用製品について紹介した。

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 バイオマスレジンホールディングスは「第2回サステナブル マテリアル展」(2022年12月7〜9日、幕張メッセ)において、お米の国産バイオマスプラスチック「ライスレジン」と、そのさまざまな活用製品について紹介した。

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ライスレジンのペレットと、ライスレジンを用いて作ったダイヤブロック[クリックで拡大]

お米を原料としたプラスチックを展開し環境に配慮

 バイオマスレジンホールディングスは2005年に設立された環境配慮型プラスチックの製造販売を行う企業だ。食料としてのお米ではなく、資源としてのお米である「資源米」という考えを基に、お米由来の国産バイオマスプラスチック「ライスレジン」や生分解性プラスチック「ネオリザ」などを展開し、海洋汚染や地球温暖化、フードロスなど世界規模の社会課題の解決を目指している。

 ライスレジンは食用に適さない古米や米菓メーカーで発生する破砕米など、飼料としても処理されず、廃棄されてしまうお米を独自技術でプラスチック化したものだ。用途に合わせて最大でお米を70%まで混ぜることが可能で、石油系プラスチックの含有量を大幅に下げられることが特徴だ。これにより、従来のプラスチックと比べコストや成形性、強度などはほぼ同等ながら、CO2排出量削減につなげられる。

 世界的に環境対策へのニーズが高まる中、生産能力も年々強化している。2022年11月30日には福島県浪江町の北産業団地に全国3カ所目となるバイオマスレジン福島浪江工場を完成させた。さらに今後、2025年までに、全国8カ所で工場を建設し、年間約10万トンの生産能力に引き上げる計画だ。また、原料となるお米についても安定供給を行うため、耕作放棄地などを活用した作付けの拡大に取り組んでいる。3年以内に、全国の水田や遊休地、休耕田などを活用したお米の作付けを300haまで拡大する予定としている。

 ライスレジンの展開や、最終製品の活用についてはパートナー企業との協力で進めている。パートナー企業としては現在、三井物産プラスチック、コバオリ、K・M・J、カネバン、YSCの5社があり、材料の提供や、製品の展開などを進めている。

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バイオマスレジンホールディングの協賛企業[クリックで拡大] 出所:バイオマスレジンホールディングス

 サステナブル マテリアル展では、これらのパートナー企業とともに、ライスレジンやライスレジン製品を中心に紹介した。ライスレジンを活用した製品としては、既に皿が最終製品として提供されている他、カワダとの協力によりダイヤブロックなどの製品も展開されている。また、新たに、ライスレジンを使ったレザー製品などもコバオリとの協力で展開する。今後はさらにこれらの製品展開を広げ、ライスレジンの浸透を広げる方針だ。

photophoto ライスレジンを使ったお皿(左)とランドセルなどの革製品(右)[クリックで拡大]

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