この記事は、2022年12月6日発行の「製造マネジメント メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
今は当たり前の食材でも、「よくそんなものを食べようと思ったな、昔の人はすごいな」と思わされるものがしばしばあります。その1つがこんにゃくです。毒性のあるシュウ酸カルシウムを含むので生では食べられないこんにゃく芋を、すりつぶした上で石灰水で処理し、よく混ぜ合わせ、冷やし固めることで食材として加工するのです。そのままでは食べられないものを、良くそこまで手間暇をかけて食べようと思ったなぁ、と人間の食への飽くなき探求心に感心してしまいます。
そんなこんにゃくを応用して、次世代の代替素材として活用を推進しようとする動きがあるとニュースを見ました。特に興味を引かれたのが、こんにゃくをベースとした素材を最近話題の代替肉などの素体として活用することで、肉の結着成形や「かみ応え」の付与を可能にするという研究アイデアです。
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