リコー初のポータブルモニターは「ハンドアウト型ディスプレイ」、無線接続に対応:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
リコーは、同社初となるポータブルモニター「RICOH Portable Monitor 150BW」と「同 150」を発表。15.6インチのフルHD有機ELディスプレイを搭載するとともにタッチ操作に対応し、150BWはMiracastによるワイヤレス接続が可能になっている。ワイヤレス接続のためのバッテリーを搭載しない150の場合で重量約560gと軽量なことも特徴だ。
teamSが開発したSSEにより、2in1と1to5のワイヤレス接続に対応
2つ目の特徴の「見やすい」は、有機ELディスプレイにより高精細、高コントラストで鮮やかな画質によって実現した。Eye Care認証取得済のパネルを使用しており、眼に悪影響があるブルーライトの割合を、従来型ディスプレイより約62%低減している。本体付属のスタンドを用いた縦置きにも対応している。
3つ目の「タッチしやすい」では、高性能のAES(静電結合)センサー搭載による滑らかなタッチ入力が可能で、10点マルチタッチによりピンチイン/ピンチアウトなどのさまざまな直感的操作が行える。オプションのタッチペン「RICOH Monitor Stylus Pen Type1」を使えば最大4096段階の筆圧検知によるタッチ入力ができ、有線ケーブル接続の場合にはタッチペン使用時に手の一部が当たっても認識しないパームリジェクションにも対応している。本体付属のスタンドはフレキシブルに角度を変更できるので、150BW/150を寝かせた状態にすればタッチ入力しやすくなる。
4つ目の「つなぎやすい」は、先述したケーブルを挿したまま持ち運べるやワイヤレス接続にとどまらない機能になる。150BWのワイヤレス接続は、PCやスマートフォン、タブレット端末など2台まで同時につなげることができる。150BWの画面に、ワイヤレス接続したPCとスマートフォンの画面を表示し、それぞれ切り替えながらタッチ操作を行える。一方で、1台のPCから最大5台までの画面ミラーリングの同時接続も可能だ。「2in1と1to5の接続に対応している」(栗原氏)。
150BWのMiracastによるワイヤレス接続は、teamSが開発したSSE(Smart Streaming Engine)の採用によって実現した。150BWとPCの1対1ワイヤレス接続の場合、レイテンシは約100msで、タッチ操作で大きな違和感が生まれないようになっている。また、150BWのワイヤレス接続におけるタッチ操作では、タッチ操作の結果を先に青色の点線で表示することで、ユーザーにレイテンシの影響を感じさせないような工夫も盛り込んだ。ワイヤレス接続による連続駆動時間は、フル充電時で3時間となっている。
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