目視での検査作業を効率化、機械製造業向けカメラセット:FAニュース
リコーは、目視での検査作業を効率化する機械製造業向けカメラセット「RICOH フレキシブルイメージチェッカー」を発表した。部品の欠品や完成品との相違を検査アプリがパターンマッチングで解析し、自動で合否を判定する。
リコーは2022年10月4日、機械製造業向けに、目視での検査作業を効率化するカメラセット「RICOH フレキシブルイメージチェッカー」を発表した。「ハンディカメラセット」「据え置きシングルカメラセット」の2種を用意し、同月18日に発売する。
ハンディカメラセットは、対象物が大型で多面的な検査が必要な場合、手持ちカメラで検査エリアに突き当てながら撮影と検査ができる。付属の手持ち部カバーを装着することで傾きやブレを抑えて、さまざまなアングルから対象物を確認できる。
据え置きシングルカメラセットは、検査エリアを捉える位置にカメラを固定し、広域でも安定して撮影と検査ができる。
設置場所の自由度の高さに加え、撮影した画像に傾きやブレが生じた場合は自動補正し、パターンマッチングをかける。これによって不良品の流出を抑制し、目視検査作業を効率化する。
また、業務改善に役立つ機能を搭載。検査アプリケーションに、形状、位置、バーコード文字列判定に使用するマスター画像(画像データ)を登録すると、マスター画像とカメラで撮影した画像の類似形状を抽出する。合否は「類似比較による形状」「相対位置」「文字列検査(バーコード)」を類似度で比較し、自動で判定する。さらに、検査結果のデータをトレーサビリティー調査や、早期分析に活用できる。
ハンディカメラセットと据え置きシングルカメラセットのどちらにも、検査アプリ、USBカメラ、USBドングルキー(アプリ認証用)が付属し、ハンディカメラセットのみ手持ち部カバーが付いている。両セットともオープン価格だ。
両セットのほか、同社は2023年春に「RICOH フレキシブルイメージチェッカー 据え置きマルチカメラセット」の発売を予定している。据え置きマルチカメラセットは、検査対象を最大8台の据え置きカメラで、一度にかつ多面的に検査できる。
関連記事
- 人手作業のデータ化、ポイントは「自然に自動で」
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。前回から製造現場でつまずくポイントとその対策についてお伝えしていますが、第6回では、人手さ作業のデータ化についてさらに掘り下げます。 - 古い機械や人手作業、データ化されていない情報をどうスマート化すべきか
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。前回から製造現場でつまずくポイントとその対策についてお伝えしていますが、第5回では、「データ収集」についてのアプローチと、データ化が難しい部分の対策について解説していきます。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - 第4次産業革命を支える「簡単でシンプルなIoT」の意義
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説していきます。第15回となる今回は最近注目される「簡単でシンプルなIoT」についてまとめます。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.