Matter規格対応の開発プラットフォームを発表:組み込み開発ニュース
NXP Semiconductorsは、スマートホームやスマートビルディング向けの規格「Matter」に対応した開発プラットフォームを発表した。NXPの既存の評価ボードやツールを用いて、さまざまなIoTデバイスを設計できる。
NXP Semiconductors(NXP)は2022年10月27日、スマートホームやスマートビルディング向けの規格「Matter」に対応した開発プラットフォームを発表した。同社の既存の評価ボードやツールを用いて、バッテリー駆動デバイス、ゲートウェイなどさまざまな種類のIoT(モノのインターネット)デバイスを設計できる。
Matterは、無線通信規格標準化団体のCSA(Connectivity Standards Alliance)が策定した規格。スマートホーム製品において、複数のデバイスやベンダー、エコシステム間の相互運用が可能になる。同年10月にバージョン1.0をリリースしており、NXPでは現在、Matter対応開発プラットフォームの認証をCSAへ申請中だ。
NXPのMatter対応開発プラットフォームは、従来の評価ボードとツールを活用し、リスクを抑えながら迅速にIoT開発を進められる。ダウンロード可能なソフトウェアやアプリケーションノート、導入ガイド、トレーニング動画、回路図、コネクティビティをサポートするコミュニティなどを用意する。
同プラットフォームには、専用のセキュアエレメント「EdgeLock SE05x」やセキュアオーセンティケーター「EdgeLock A5000」も付属。I2Cインタフェースを介して各種のプロセッサに接続可能で、デバイスに対するMatter認証キーや証明書のプロビジョニング、Matter認証プロトコルのハードウェアアクセラレーションを実行できる。
MatterにはAppleやAmazon、Googleが参画しており、NXPもMatter早期アクセスプログラムに参加している。ユーザーの製品がこれらの企業、その他のエコシステムと連携できるよう取り組みを進めている。
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