生産性とコスト競争力を強化、松浦機械が5軸制御立形マシニングセンタ4機種発表:FAニュース
松浦機械製作所は、5軸制御立形マシニングセンタ「MX-330」「MX-420 PC10」「MAM72-35V」「MAM72-42V PC32」を公開した。受注開始は2023年2月、量産出荷は2023年7月を予定している。
松浦機械製作所は2022年10月25日、5軸制御立形マシニングセンタ「MX-330」「MX-420 PC10」「MAM72-35V」「MAM72-42V PC32」を公開した。受注開始は2023年2月、量産出荷は同年7月を予定している。
MX-330とMAM72-35Vは、Advanced MIMS技術を融合し、生産効率と使いやすさが向上した。MX-420 PC10とMAM72-42V PC32は、コンパクトなフロアながら、最大工作物寸法を拡大している。
4製品とも、操作性を高めて作業負荷を低減するため、ホーム画面に機械状態や運転状況を一目で確認できる機能を搭載。加工スケジュール、加工進捗、工具寿命、加工プログラム登録、工具段取りの漏れなど、自動運転に必要な情報をまとめて表示する。
また、プログラム、指示書、画像データなど、これまで個別に登録していた加工データを、プロジェクトデータとして最大1000データまで一括管理する。段取り作業の遅れ、夜間週末無人運転スケジュールの人的ミスによる稼働停止を未然に防ぐ。
5軸およびマルチパレットシステムによる長時間無人運転の生産性を高めるオプションとして、タンク内のクーラント状態量を監視する「クーラント管理システム」と、工具やクーラントの寿命を短くするタンク内スラッジを9割以上回収する「スラッジ回収」を用意する。
設備総合効率の指標で稼働を監視する機能を搭載し、NC画面で機械の稼働状況を見える化した。また、機械のダウンタイムを削減するため、機内状態を監視できる「機内カメラ」、離れた場所でも稼働状況の監視、パレットスケジュールを編集可能な「Matsuura Remote Monitoring System」をオプションで選択できる。
MX-330とMX-420 PC10の主軸回転速度は、標準で毎分1万5000回。早送り速度は傾斜軸のA軸で毎分20回、回転軸のC軸で毎分40回だ。MAM72-35VとMAM72-42V PC32の主軸回転速度は、標準で毎分1万2000回、早送り速度は傾斜軸のB軸で毎分50回、回転軸のC軸で毎分100回。最大工作物寸法は、MAM72-35Vが350×315mmで、MAM72-42V PC32が420×315mmとなっている。
なお、MX-420 PC10とMAM72-42V PC32は「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」に出展する。
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