従来比3倍となる研削点剛性、新開発の主軸を備えた立形複合研削盤:FAニュース
ジェイテクトは、JTEKTブランドから、立形複合研削盤「G3VU」シリーズを発売する。クイルを伸長した新開発の主軸により、従来比3倍となる研削点剛性を備えた。これにより、最大600mmの深さを早く正確に削りきることができる。
ジェイテクトは2022年10月20日、JTEKTブランドから、立形複合研削盤「G3VU」シリーズを同年11月8日に発売すると発表した。グループ会社のジェイテクトマシンシステムと共同開発したもので、「G3VU56」「G3VU86」の2種をラインアップ。価格は、G3VU56が3905万円から、G3VU86が4070万円からとなる(各税込み)。
クイルを伸長した新開発の主軸を採用し、従来比3倍となる研削点剛性を備えた。自動工具交換装置(ATC)には6ツールを標準搭載しており、加工効率を高めた。新プラットフォームは、変形と熱変位の複合解析により、構造を最適化している。
また、高い研削点剛性により、最大600mmの深さを早く正確に削りきり、工作物を反転せずにワンチャックで研削できる。サーマルマネジメントシステムには、熱対称構造ベッドと加工点直下でクーラントや研削くずを回収するセンタトラフ構造を採用。熱変位を従来の3分の1に抑え、寸法のばらつきを低減する。
操作性にもこだわり、46の研削パターンから選択できる操作盤、角度制御が可能な自動調整式クーラントノズルなど、段取り作業を支援する機能を搭載している。多気孔構造を採用したCBN砥石(といし)により、消費電力を従来比10%削減。エネルギーモニターで電力量、エア量、CO2換算量を見える化するなど、ユーザーのカーボンニュートラルを支援する。
同社は、東京ビッグサイトで開催される「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(同年11月8〜13日)に、G3VUシリーズを出展する予定だ。
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