用途で選べる5種類の中型円筒研削盤、手動機のような感覚を伝える機能も:工作機械
ジェイテクトは、JTEKTブランドから、中型円筒研削盤「G3 Series」を発売する。機械構造の最適解を反映したベッド設計や加工条件の自動決定機能などにより、高品質かつ効率的な加工を可能にする。
ジェイテクトは2022年10月13日、JTEKTブランドから、中型円筒研削盤「G3 Series」を発表した。同年11月8日に発売予定で、同日から東京ビッグサイトで開催される「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」に出展する。
用途に応じて選べるType R、S、B、G、Lの5種類をラインアップする。量産に適したType Rから小ロット向けのType Lまでそろえ、機能を高めながらも導入しやすい価格とした。
Type GとLのベッドは、変形と熱変位の複合解析により、機械構造の最適解を反映した設計を採用している。といし軸回転精度は0.016μmで、低振動の「STAT BEARING」を搭載し、高減衰性により面粗度の長期安定を図った。高剛性を有し、低熱変位としたことで、寸法変化は従来比で30%低減している。
操作性にもこだわり、最適な研削加工条件を自動決定できる「らくらく自動決定機能」を搭載する。プログラム作成時間を4分の1に短縮するため、単品加工の効率向上につながる。
砥石と工作物の接触をハンドルに伝える「ステアバイワイヤハンドル」により、手動機のような感覚を頼りに1μm台の精度を可能にした。Type Lにはサーマルマネジメントシステムを搭載しており、といしの摩耗量を正確に把握することで寸法変化±1.5μmを達成する。
他に、「スリープIN・ウェイクUP機能」や省エネ油圧ユニット「トヨパックECO?プラス」などを搭載。消費電力を削減することで、カーボンニュートラルにも貢献する。
販売定価(税込)は、Type Rが3280万円から、Type Sが2850万円から、Type Bが2330万円から、Type Gが1200万円から、Type Lが1800万円からとなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ジェイテクトがグループ10社の社名変更、一体感高めてブランド力を強化へ
ジェイテクトは2022年9月8日、グループ会社10社の社名を同年10月1日にジェイテクトを冠した社名に変更すると発表した。10社の社名にジェイテクトを冠して統一することで、グループの一体感の醸成を図り、ブランド力の強化を進める。 - CNC円筒研削盤「G1 Series」の高品質タイプ発売、プログラム作成時間短縮機能も
ジェイテクトは、CNC円筒研削盤「G1 Series」の高品質タイプ「Type G」「Type L」の2機種を発売した。プログラム作成時間の短縮や単品加工の効率向上に寄与する機能を搭載する。 - 進む製造機械の「知能化」、学習済みAIを搭載する動きが拡大へ
AI(人工知能)の活用が広がりを見せている。こうした中で、新たな動きとして定着が進んでいるのが、工作機械や射出成形機など、製造機械へのAI機能の組み込みである。2022年はこうした動きがさらに加速し、AIの学習までを機械メーカーが担って出荷する動きが進む見込みだ。 - 進む産業機械のスマートフォン化、標準化とオープン化がカギに
スマート工場化が進む中、工場内の生産機械や設備にも生産情報や設備情報などを活用するために「つながる」ことが求められるようになってきている。こうした環境に合わせる形で、生産機械についても協調領域については「水平分業型」へのシフトが加速する見込みである。 - 工作機械の共通インタフェース「umati」とは何か?
工作機械のスマート化に向けて注目されている通信規格が「umati」である。本連載では「umati」とはどういう規格なのか、技術的にはどういう背景があるのか、どのような活用シーンがあるのかについて、紹介する。第1回となる今回は「umati」とは何かをテーマに概要を取り上げる。 - 工作機械も4.0へ、シェフラーとDMG森精機が描く「マシンツール4.0」
ドイツのインダストリー4.0が大きな注目を集める中、工作機械にもIoTを積極的に活用する動きが出てきている。軸受部品を展開するシェフラーと、工作機械メーカーのDMG森精機は工作機械のインダストリー4.0対応を目指す「マシンツール4.0」プロジェクトを推進している。