LIXILが新たなIoT実験住宅を公開、スマートホームの進化をさらに加速:製造業IoT(2/2 ページ)
LIXILが“住まいの未来”をコンセプトにしたIoT実験住宅「みらいえらぼ」(埼玉県越谷市)を開設した。2021年7月から展開しているIoTホームリンク「Life Assist2」を強化するためのオープンイノベーションの場であるとともに、住宅建築関連のプロユーザーに向けた最先端のスマートホームのショーケースとしても活用していきたい考えだ。
「未来提案ルーム」に凸版印刷のスマートミラーを設置
内部は「プレゼンルーム」「遠隔操作ルーム」「未来提案ルーム」の他、社内検証用の非公開エリアとなる「社内検証ルーム」の4つのエリアで構成されている。プレゼンルームは、Life Assist2を中心にさまざまな建材や設備機器、家電との連携によるスマートホームの便利で快適な暮らしをプレゼンするエリアで、主に住宅建築関連のプロユーザーによる内覧や体験を目的としたエリアだ。5世代が集まれる31.8帖のLDKと、年配世代が暮らす想定の洋室、浴室から構成されている。
LDKには、Life Assist2のハブ機器となる「ホームデバイス」の他、CO2や温度センサーなどが設置されており、専用のスマートフォンアプリとこれらのセンサーデータを活用して、スマートロック付きの玄関ドア、横すべり窓用電動ユニット、スマートクレセント、電動カーテン、電動天窓、照明、エアコンなどを制御できるようになっている。スマートスピーカー(ディスプレイタイプの「Echo Show」が設置されていた)による操作にも対応している。
浴室は、浴室暖房に加えて、浴槽掃除機能を備えた給湯器をスマートフォンアプリで操作できるようになっている。例えば、帰宅前に浴槽掃除を行ってお湯を張りつつ、ヒートショックが起こらないように浴室暖房で浴室内を暖めておくことなどが可能だ。
これらの他、テレビや分電盤、蓄電池などとも連携できるようになっている。
2階層にわたるメゾネットは「遠隔操作ルーム」に割り当てられており、スマートカメラを使ってLIXILの営業担当が「Life Asisst2」の設定/操作方法を説明するエリアとなっている。遠隔から電動シャッターや電動カーテンの開閉を試すことが可能だ。
4世代目が暮らすことが想定されている2階の洋室は「未来提案ルーム」であり、さまざまな企業との協働、オープンイノベーションを実証する場となる。現時点では、凸版印刷が開発したスマートミラーが設置されており、床に組み込んだ体組成計やスマートミラー下部に組み込んだ肌温度センサーを用いて、毎日のバイタルチェックが行えるようになっている。スマートミラーはAndroidベースのシステムなので、Life Asisst2を制御するアプリを表示して操作することも可能だ。
この他、睡眠センサーとの連動により、電動シャッターで外光を入れて心地よい目覚めを可能にするなどの「スリープテック」やジェスチャーによる機器操作、地震検知センサーの導入など「これからのスマートホーム」の提案に向けた研究開発を進めていきたい考えだ。
なお、研究開発が主目的となっていたU2-HomeIIはどのようなセンサーデータをスマートホームに有効活用できるのかを検討するために約250個のセンサーを設置していた。みらいえらぼでは、U2-HomeIIの成果を基に必要なセンサーを選定して設置しており、現時点でのセンサー数は約60個となっている。「今後みらいえらぼの機能を拡充していく上でセンサーの数も増えていくことになるだろう」(倉林氏)という。
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