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日産もロシア撤退で損失1000億円計上、事業は現地の自動車関連の研究所に:製造マネジメントニュース
日産自動車は2022年10月11日、ロシア市場から撤退すると発表した。ロシア事業は現地の自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に譲渡する。日産は今後6年間、事業を買い戻す権利を持つ。
日産自動車は2022年10月11日、ロシア市場から撤退すると発表した。ロシア事業は現地の自動車・エンジン中央科学研究所(NAMI)に譲渡する。日産は今後6年間、事業を買い戻す権利を持つ。
日産は2022年3月からロシア市場での事業を停止している。日産のロシア法人であるNissan Manufacturing Russiaが担う全てのロシア事業が譲渡され、NAMIの乗用車プロジェクトに利用される。日産がサンクトペテルブルクに持つ生産拠点や研究開発施設、モスクワに持つ販売拠点は新たな名称で運営する。日産のロシア法人の全従業員はNAMIによって12カ月の雇用が保証される。
ロシア市場からの撤退に伴い、一過性の損失として1000億円を計上するが、2022年度の業績見通しは変更しない。2022年度の事業計画の見通しはロシア事業の停止を前提に織り込んでいるためだ。
NAMIはロシアの国家科学センターの1つ。1918年に設立され、乗用車や商用車の他、自動車と航空機向けのエンジンの国産化に向けて活動してきた。現在は車両の性能評価、試作、コネクテッドカーや自動運転車の研究、輸入車のテストなどを行う。
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