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医師のアイデアを基に流体解析を駆使して開発したパーソナル飛沫防護デバイス:CAEニュース
オージーケーカブトは、エアロゾル防護デバイス「AirVision」を発売した。医療従事者が施術や診療、患者ケア、エアロゾル環境などにおいて飛沫を防護する、ヘッドギアタイプのパーソナルエアーシールド装置だ。
オージーケーカブトは2022年9月20日、エアロゾル(飛沫)防護デバイス「AirVision(エアービジョン)」を発売した。脳神経外科医の発案を基に、空気力学の技術を生かして開発している。価格はオープン。
AirVisionは、医療従事者が施術や診療、患者ケア、エアロゾル環境などにおいて飛沫を防護するヘッドギアタイプのパーソナルエアーシールド装置だ。「施術者が術中感染を起こさない」「各外科診療科で使える」「脱着が容易」「他医療機器との親和性」「長時間の手技耐用」の5つをテーマに開発した。
送風シールド機能は、豊橋技術科学大学と共同実験を実施。流体解析を駆使しており、電動ファンによる空気のカーテンで、作業従事者の顔に飛散するエアロゾルを防護する。
本体を約350gと軽量化し、重心位置の最適化により重さを感じさせない。また、頭部から本体を浮かせるフローティング構造となっている。アジャスターには「BOARフィットシステム」を採用しており、どんな頭部形状でも、細かな調整と均一な締め付けで安定する。
後頭部の電動ファンを作動させることで、空気が前頭部からカーテン状に噴出され、シールド効果が得られる。センターボタンを押すと、3段階で風力を調整できる。付属の専用コントローラーと別売りのバッテリーの本体への接続には、付属のUSBコードを使用する。
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