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焼肉店チェーンが3D飛沫可視化システムを導入、感染症対策の課題を明確化:CAEニュース
ワタミは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、テックレボリューションが提供する「3D飛沫可視化システム」を導入した。建物内に浮遊する飛沫粒子の経路を可視化することで、感染症対策の課題を明確化する。
ワタミは2021年3月8日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、焼肉店「かみむら牧場 京急蒲田第一京浜側道店」に、テックレボリューションが提供する「3D飛沫可視化システム」を導入したと発表した。建物内に浮遊する飛沫粒子の経路を可視化することで、感染症対策の課題を明確化する。
同システムは、屋内空間をレーザースキャンし、空調設備を付加した建物全体の3Dモデルを作成することで、気流と飛沫のシミュレーションを実施。建物内の気流や換気率、浮遊する飛沫粒子の経路を可視化し、建物内の安全性、最適な配置、空調や換気を検証する。かみむら牧場での調査では、店内の空気が3分間に1回全て入れ替わり、空気中に浮遊する飛沫が急速に減少していることが実証された。
ワタミグループの「かみむら牧場」「焼肉の和民」では、非接触型飲食店としての対応策を進めている。料理やドリンクなどを運ぶ特急レーンや、料理配膳ロボットを導入することで、同社の居酒屋との比較で従業員との接触率を8割低減した。今回の調査で得られた分析結果と対策ノウハウを、他業態にも展開していく予定だ。
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