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独自AIアルゴリズムで室内気流シミュレーションが高速・高精度に予測可能にCAEニュース

科学計算総合研究所(RICOS)は、同社独自のAI(人工知能)アルゴリズムによって、シミュレーション結果を高速かつ高精度に予測するアプリケーション「RICOS Lightning」の室内気流シミュレーション対応を発表し、2022年10月5〜7日にインテックス大阪で開催される「第25回 関西ものづくりワールド」に参考出品する。

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※【記事内容の訂正について】RICOSからの要望・申し出により、タイトルを含む記事内における一部表現に関して修正を行いました。[2023年1月27日]

 科学計算総合研究所(RICOS)は、同社独自のAI(人工知能)アルゴリズムによって、シミュレーション結果を高速かつ高精度に予測するアプリケーション「RICOS Lightning」の室内気流シミュレーション対応を発表し、2022年10月5〜7日にインテックス大阪で開催される「第25回 関西ものづくりワールド」に参考出品する(2号館 小間番号:5-14)。

左がシミュレーション、右が「RICOS Lightning」による予測結果
左がシミュレーション、右が「RICOS Lightning」による予測結果 出所:科学計算総合研究所

 RICOS Lightningは、同社独自の機械学習アルゴリズムである「IsoGCN」を用いることで、従来計算結果を得るまでに数日を要していたようなシミュレーションを高速化し、高精度な予測結果を取得できるWebブラウザベースのアプリケーションである。

 IsoGCNは、入力されるメッシュによらず適用可能なグラフニューラルネットワークをベースとしており、解析結果の3次元形状の情報を落とすことなく、学習データ(資産)として使用することが可能で、全く新しい製品形状に対しても信頼性の高い、安定した結果が得られる機械学習アルゴリズムである。特に流体シミュレーションの結果予測を得意としており、機械学習では難しいとされる“渦の発生”までも予測可能だとしている。

 RICOS Lightningは、Webブラウザベースのアプリケーションであるため、高価な計算資源を用意することなく、ノートPCやタブレット端末などで利用可能。解析専任者でなくても誰でも簡単に解析結果の確認ができる。

 従来の解析プロセスや設計者CAEに、RICOS Lightningを活用することで、シミュレーションの実行や試行錯誤にかかっていた人手や時間、コストを大幅に削減できる。また、開発リードタイムの短縮だけでなく、より多くの設計案/デザインパターンの検討が可能になり、製品性能の向上にもつなげられるという。

 同アプリケーションは、Webブラウザ上でシミュレーションを実行できるSaaS(Software as a Service)型CAEプラットフォーム「RICOS Production Suite」上で提供されるもので、自動車の空力シミュレーション向けのRICOS Lightningを2022年4月にリリースしている。同社によると、従来数日を要していた自動車の空力シミュレーションの結果を10〜20分程度に短縮した実績もあり、既に国内自動車メーカーの採用も決まっている。

自動車の空力シミュレーション向け「RICOS Lightning」の活用イメージ
自動車の空力シミュレーション向け「RICOS Lightning」の活用イメージ[クリックで拡大] 出所:科学計算総合研究所

 今回新たに発表した室内気流シミュレーション対応のRICOS Lightningは、「既存のCFD(数値流体力学)シミュレーションソフトウェアと比較して誤差1%程度、100倍程度高速に流れ場の計算ができる」(同社)という。

 ゼネコンや設計会社、空調機器メーカーや空調施工会社など、室内気流解析を実施している企業をターゲットに展開する計画で、これまでは時間的な制約から検討できなかったデザインパターンの性能検証に活用したり、機器設置プランの提案において、打ち合わせ時間内に室内気流解析の結果を提示したりといった利用が可能になるとしている。室内気流シミュレーション対応のRICOS Lightningの提供開始は、同年10月下旬を予定している。

室内気流シミュレーション対応の「RICOS Lightning」で実現できること
室内気流シミュレーション対応の「RICOS Lightning」で実現できることのイメージ[クリックで拡大] 出所:科学計算総合研究所

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