WebブラウザベースのSaaS型CAEプラットフォームを正式リリース:CAEニュース
科学計算総合研究所は、WebブラウザベースのSaaS型CAEプラットフォーム「RICOS Production Suite」を正式リリースした。Webブラウザ上でメッシュの読み込み、解析条件の設定、結果確認を実行できる。
科学計算総合研究所(RICOS)は2022年1月12日、WebブラウザベースのSaaS(Software as a Service)型CAEプラットフォーム「RICOS Production Suite」を正式リリースした。Webブラウザ上でメッシュの読み込み、解析条件の設定、結果確認を実行できる。
Webブラウザ上で直感的に作業ができるCAEツールで、シミュレーションなどの計算は、RICOSの計算資源で実行する。これにより、ツールのインストール作業や大規模な計算資源の手配が不要となった。
Webページにアクセスして利用するため、導入時の作業コストを削減する。また、複数のOSに対応。タブレット端末からも使用でき、外出先でも利用可能だ。
画面上の直感的な操作で、解析条件の設定や結果確認ができる。形式通りに設定ファイルを記述するといった作業の必要がなく、誰でもCAE作業が進められる。
現在は、CADからのメッシュファイル生成、構造解析、熱解析、固有値解析、解析条件の付与、解析結果の可視化などの機能をサポート。今後、オープンソースプログラム「OpenFOAM」による流体解析の実装や非線形解析の機能を拡充する。加えて、RICOS独自の技術として、高品質のメッシュ作成やAI(人工知能)によるシミュレーションの高速化(サロゲートモデル作成)、シミュレーションの最適化などの搭載を予定している。
料金は、計算時間に対する従量課金制を採用。IvyBridge、1コア、8Gバイトを使用するトライアル用の計算リソースは、1回10分までの計算なら何度でも無料で使用できる。
有料の計算リソースで実行した場合は料金が発生するが、アカウント登録料や月額基本料金などは必要ない。プロセッサは全てIvyBridgeで、料金はコア数やメモリサイズで異なる。1コア、8Gバイトで1時間当たり8円から。それぞれの計算リソースについて、1回24時間までの計算が実行できる。
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