スバル「クロストレック」が全面改良、動的質感にさらなる磨き:車両デザイン(2/2 ページ)
SUBARU(スバル)は2022年9月15日、全面改良する「クロストレック(CROSSTREK)」を世界初公開した。2023年以降に日本市場に導入し、順次各国に展開する。日本での受注は2022年秋以降を予定している。
ルーフパネルとブレースの間には、振動の吸収性や制振性が高い高減衰マスマチック(弾性接着剤)を使用している。ルーフの振動によって発生する騒音の音圧を低減するとともに、車内音の収束性を向上させる。車台のスバルグローバルプラットフォームも進化させた。衝突時に乗員や歩行者を保護する衝突安全性能を向上させた他、バンパービームを車両外側まで拡大し、衝突サブフレーム追加することで、車両衝突事故で相手側の乗員を守る性能(コンパチビリティ)も高めた。コンパチビリティを評価する前面衝突試験も導入している。
アッパーボディーとアンダーボディーを別々に組み立てて接合するのではなく、ボディー全体の骨格を強固に組み立ててから外板パネルを溶接する「フルインナーフレーム構造」の採用、構造用接着剤の適用拡大、サスペンション取り付け部の剛性向上などにより、従来モデルを上回る動的質感を実現したという。
ボディーの高剛性化により、サスペンションやエンジンマウントが本来の機能を十二分に発揮できるようになり、操縦安定性と路面からの振動の収束性を向上させた。質感が高くフラットな乗り心地になるという。
応答遅れが少ないスポーティなステアリングフィールを実現する2ピニオン電動パワーステアリングを採用した。ステアリング操作軸とモーターアシスト軸が分離した構造となることで、操舵初期のフリクションを低減し、滑らかなトルク伝達を可能にする。また、操舵角に応じてステアリングのギア比を変える「VGR(Variable Gear Ratio)」を引き続き採用し、低速時の取り回しの良さと高速走行時の直進安定性を両立している。
安全面では、ハイ&ロービームランプ、ポジションランプに加えターンランプもLED化した。右左折時などに進行方向を照らすLEDコーナリングランプはスバル車では初採用となる。ステレオカメラユニットは、従来モデルから画角を2倍に向上し、画像認識ソフトウェアや制御ソフトウェアの改良により、広く遠い範囲まで認識できるようにした。ステレオカメラユニットはフロントガラス取り付け式に変更するとともにレンズフードを採用し、誤ってレンズに触れることがないようにした。
低速時にステレオカメラよりも広角で二輪車と歩行者を認識できる単眼カメラも追加した。プリクラッシュブレーキで対応できるシチュエーションを拡大した。さらに、優れた昇圧性能を持つ電動ブレーキブースターを採用し、急な自転車の飛び出しなどへの応答性を向上させ、全車速追従機能付きのクルーズコントロール使用中の割り込みに対する素早い減速にも対応した。
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