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移植用腎臓の冷却状態を保持する医療機器の安全性と有用性を臨床試験で確認医療機器ニュース

SCREENホールディングスは、同社が開発した腎臓移植用医療機器「オーガンポケット」の安全性と有用性を確認する臨床試験を終えた。今後は、医療機器として製造、販売するとともに、腎臓以外の臓器への展開も視野に入れる。

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 SCREENホールディングス(SCREEN)は2022年8月9日、同社が開発した腎臓移植用医療機器「オーガンポケット」の安全性と有用性を確認する臨床試験の終了を発表した。今後、医療機器として製造、販売するとともに、腎臓以外の臓器への展開も視野に入れて開発を進める。

 オーガンポケットは、SCREENが慶應義塾大学との共同研究から開発した医療機器だ。特殊ゲル素材による巾着袋状の器具で、移植臓器を一時的に被覆することで冷却状態を保持する。4℃に冷却したブタの腎臓を37℃の疑似腹腔環境下に設置すると、通常は10分後に表面温度が体温付近まで上昇するのに対し、オーガンポケットの使用により30分後でも20℃以下の表面温度を維持することが確認できた。

 今回、広島大学で10症例を対象とした医師主導の臨床試験を実施。オーガンポケットを使用した移植腎臓の表面温度の中央値は16.1℃(範囲:12.8〜18.7℃)で、昇温を確実に抑えられることが示された。

 腎臓移植では、ドナーから摘出した腎臓は冷却保存される。しかし、移植手術中に術者や患者との接触により加温されると、移植後の臓器機能に不具合を生じる危険性が高まる。従来は冷却した生理食塩水の散布などで対処していたが、効果が一時的であることや散布の条件設定が難しいなどの課題があった。

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