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DX時代の「グローバルPLM」(1):PLMとは何が違うのか?DX時代のPLM/BOM導入(8)(2/2 ページ)

本連載では製造業DXの成否において重要な鍵を握るPLM/BOMを中心に、DXと従来型IT導入における違いや、DX時代のPLM/BOM導入はいかにあるべきかを考察していく。第8回は、新しく登場した「音更さん」と「鹿追さん」がグローバルPLMの概念を取り上げ、理解を深めていく。

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導入に先立ちルール統一など必要に

全社視点で見ても素晴らしい効果がありそうですね。でも、導入する上で懸念事項や課題は無いのでしょうか?


先ほどの説明で技術情報管理のルールが統一化されると言いました。まさにこの統一化が問題になる可能性があります。


部品番号(品番)のルールを統一するケースを考えてみましょう。A事業部で扱う品番の桁数は10桁で、F工場の生産管理システムもそれに合わせて最大10桁だとします。しかし、B事業部の品番は12桁です。するとF工場はB事業部のBOMデータを取り込めないことになります。


こうしたさまざまなトラブルが発生しかねないので、グローバルPLMの実現には、あらかじめ業務プロセスの標準化を含めたルール統一などの準備が必要になるのです。


グローバルPLMとDXの関係

とすると、グローバルPLMというのは単なるIT導入にとどまらず、海外拠点も含めた企業内のルールやプロセス改革にまで踏み込んだ話になりそうですね。


その通りです。図表2を見てください(※)。これはデジタル化の段階を定義したものです。この中でDXが登場していますが、自社だけでなく、顧客やサプライヤーを巻き込んだ変革として定義されていて、グローバルPLMはその例として取り上げられています。


※:本連載第2回図表の再掲


■図表2:デジタル化の段階[クリックして拡大]

経営者がリードしていかなければならない、全社レベルでの改革になるというわけですね。このグローバルPLMというのが、今回のプロジェクトで考えるべき重要なテーマだということが改めて分かりました!


それは何よりです。今回は、グローバルレベルの事業部から生産工場への流れについて解説しましたが、次回は、生産工場で発生したSCMや実績情報の事業部へのフィードバックについて触れていきたいと思います。では、次のセッションでお会いしましょう。


⇒連載「DX時代のPLM/BOM導入」バックナンバー
⇒製造マネジメントフォーラム過去連載一覧

著者プロフィール

三河 進
株式会社グローバルものづくり研究所 代表取締役

大阪大学基礎工学部卒業。

大手精密機械製造業において機械系エンジニアとして従事後、外資系コンサルティングファーム、大手SI会社のコンサルティング事業を経て、現職に至る。
専門分野は、製品開発プロセス改革(3D設計、PLM、BOM、モジュラー設計、開発プロジェクトマネジメントなど)、サプライチェーン改革、情報戦略策定、超大型SIのプロジェクトマネジメントの領域にある。また、インターナショナルプロジェクトにも複数従事経験があり、海外拠点のプロセス調査や方針整合などの実績もある。

主な著書

・「図解DX時代のPLM/BOMプロセス改善入門」,日本能率協会マネジメントセンター(2022)

・「5つの問題解決パターンから学ぶ実践メソッド BOM(部品表)再構築の技術」,日本能率協会マネジメントセンター(2018)

・「製造業の業務改革推進者のためのグローバルPLM―グローバル製造業の課題と変革マネジメント」,日刊工業新聞社(2012)

・「BOM/BOP活用術」,日経xTECH(2016)

・「グローバルPLM〜世界同時開発を可能にする製品開発マネジメント」,ITメディア社MONOist(2010)など多数

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