自動運転やAIに適した組み込みプロセッサIPの新ブランドを発表:組み込み開発ニュース
エヌエスアイテクスは、組み込みシステム向けプロセッサIPを含む新ブランド「Akaria」を発表した。自動運転やエッジAIアプリケーションに適する。
エヌエスアイテクス(NSITEXE)は2022年7月26日、組み込みシステム向けプロセッサIPを含む新ブランド「Akaria(アカリア)」を発表した。自動運転をはじめ、エッジAI(人工知能)アプリケーションに適する。
Akariaプロセッサには、RISC-Vベース標準プロセッサの「NS」ファミリーと、標準プロセッサに拡張ユニット部品を組み合わせた領域特化型アクセラレーターの「DR」ファミリーがある。
NSファミリーは、小型低消費電力の「NS1」、32ビット汎用用途向けの「NS3」、64ビットアプリケーション向けの「NS7」の3シリーズを用意する。さらにハイエンド向けに、32ビット「NS5」、64ビット「NS9」シリーズも検討中だ。
DRファミリーは、制御マイコン向けのアクセラレーター「DR1000」シリーズ、自動運転などハイエンド向けのアクセラレーター「DR4000」シリーズ、ニューラルネットワークに特化したAIアクセラレーター「ML」シリーズをラインアップする。
また、DRファミリーは、MIMDベースのアクセラレーターとMLシリーズを組み合わせることで、より拡張性の高いソリューションを提供する。例えば、AIネットワークの各レイヤーに対して、MLシリーズが2次元の畳み込み演算やプーリング処理を担い、MIMDベースのプロセッサはユーザー固有の複雑な処理レイヤーに対応することで、全体を最適化できる。
この他、同社はAkariaブランドとして、ソフトウェアや顧客に合わせたカスタムIPの構築サービスも展開する。
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