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EVのモデリングを「ミニ四駆」で考える〜バッテリー、モーター、走行の連成問題、現象を本質的に捉えてシンプルに表現〜1Dモデリングの勘所(10)(4/4 ページ)

「1Dモデリング」に関する連載。前回行った「ミニ四駆」の構成要素の原理理解、定式化を受けて、今回はミニ四駆全体系のモデリングを行い、解析を実行する。さらに現象を理解する方法としてモデリング結果を図で表現することの有用性に触れる。最後に、「Modelica」によるミニ四駆のモデリング例を示す。

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Modelicaによるモデリング

 図1の方程式を基に、Modelicaで直に書いて解析、さらに、図的表現することにより理解を深めてきた。一方、Modelicaでは「Modelica Standard Library(Modelica標準ライブラリ:MSL)」が用意されており、多くの現象はグラフィカルに表現可能である。また、MSLにない新規ライブラリも作成可能である。Modelicaの詳細については、今後の連載の中で紹介するが、ここではModelicaを用いてミニ四駆を非定常およびバッテリーのSOC特性も考慮して構築、解析した結果を図7に示す(参考文献[1])。表向きはこのようにグラフィカルな表現になっているが、その内部には既に述べた直書きと同様に各種物理現象が表現されており、ユーザーも参照可能であるとともに、修正追記できる(ただし、相応の知識は必要である)。

 図7は、図4と同じパラメータ諸元を用いている他、モーターインダクタンス、バッテリーSOC特性を加味している。結果の一例として、走行距離の時間変化、速度、電圧、SOC(残存電池エネルギー)の時間変化を示す。前述の定常解析の結果と比較することにより、ミニ四駆の挙動をさらに詳しく理解することが可能だ。

Modelicaによる「ミニ四駆」のモデリング
図7 Modelicaによる「ミニ四駆」のモデリング[クリックで拡大]

参考文献:

  • [1]大富、平野|製品・システムの複合化に対応した設計を支援〜対話形式で解きほぐすModelica活用法〜 第21回 ミニ四駆をモデリングする|機械設計 2021年8月特別増大号



 次回は、コードレスクリーナー(コードレス掃除機)のモデリングについて考える。 (次回へ続く

⇒連載バックナンバーはこちら

筆者プロフィール:

大富浩一(https://1dcae.jp/profile/

日本機械学会 設計研究会
本研究会では、“ものづくりをもっと良いものへ”を目指して、種々の活動を行っている。1Dモデリングはその活動の一つである。


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