ニュース
高靭性、高反発性の光造形3Dプリンタ用ゴム弾性レジンを開発:3Dプリンタニュース
ナガセケムテックスは、光造形3Dプリンタ用ゴム弾性レジン「RS-IAG」シリーズを開発した。高反発なゴム弾性を備え、繰り返しの衝撃に強く、細密な3Dプリントデータを再現できる。
ナガセケムテックスは2022年7月27日、光造形3Dプリンタ用ゴム弾性レジン(樹脂)「RS-IAG」シリーズを発表した。高反発なゴム弾性を備え、繰り返しの衝撃に強く、細密な3Dプリントデータを再現できる。
RS-IAGシリーズは、液性の光造形3Dプリンタ用レジンで、高い強靭性と高反発性を有する。複雑な枝分かれのラティス構造を細密に再現でき、強度を保ちながら軽量化が可能だ。枝の密度や線径を足先やかかとなどの部位ごと変化させ、反発率を調整してシューズの性能を引き出すことができる。
反発弾性率は59%、破断伸びは670%。引張強度は13MPa、引裂強度は45kN/mで、繰り返し曲げ耐性(60度)は10万回以上の性能を持つ。
各種クリアカラーに仕上げられる透明なベース材料のため、意匠性に優れる。1液性紫外線硬化樹脂だが、常温で1年の保存に対応する。シューズミッドソールのほか、自転車やラケットなどのグリップ、サドルクッションなど、高反発ゴム弾性が必要となる素材にも利用できる。
用途や使用プリンタに合わせ、性能をカスタマイズすることも可能だ。オープンラボを同社の播磨事業所に開設しており、ユーザーと共同で最終製品を検討できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- コロナ禍で生まれた3Dプリンタ活用の流れが、デジタル製造を加速
コロナ禍で、あらためてその価値が再認識された3Dプリンティング/アディティブマニュファクチャリング。ニューノーマルの時代に向け、部品調達先や生産拠点の分散化の流れが加速していく中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、その活用に大きな期待が寄せられている。2021年以降その動きはさらに加速し、産業界におけるデジタル製造の発展を後押ししていくとみられる。 - 3Dプリンタの可能性を引き上げる材料×構造、メカニカル・メタマテリアルに注目
単なる試作やパーツ製作の範囲を超えたさらなる3Dプリンタ活用のためには、「造形方式」「材料」「構造」の3つの進化が不可欠。これら要素が掛け合わさることで、一体どのようなことが実現可能となるのか。本稿では“材料×構造”の視点から、2020年以降で見えてくるであろう景色を想像してみたい。 - いまさら聞けない 3Dプリンタ入門
「3Dプリンタ」とは何ですか? と人にたずねられたとき、あなたは正しく説明できますか。本稿では、今話題の3Dプリンタについて、誕生の歴史から、種類や方式、取り巻く環境、将来性などを分かりやすく解説します。 - 「単なる試作機器や製造設備で終わらせないためには?」――今、求められる3Dプリンタの真価と進化
作られるモノ(対象)のイメージを変えないまま、従来通り、試作機器や製造設備として使っているだけでは、3Dプリンタの可能性はこれ以上広がらない。特に“カタチ”のプリントだけでなく、ITとも連動する“機能”のプリントへ歩みを進めなければ先はない。3Dプリンタブームが落ち着きを見せ、一般消費者も過度な期待から冷静な目で今後の動向を見守っている。こうした現状の中、慶應義塾大学 環境情報学部 准教授の田中浩也氏は、3Dプリンタ/3Dデータの新たな利活用に向けた、次なる取り組みを着々と始めている。 - 3Dプリンティングの未来は明るい、今こそデジタル製造の世界へ踏み出すとき
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、サプライチェーンが断絶し、生産調整や工場の稼働停止、一斉休業を余儀なくされた企業も少なくない。こうした中、サプライチェーンに回復力と柔軟性をもたらす存在として、あらためて3Dプリンタの価値に注目が集まっている。HP 3Dプリンティング事業 アジア・パシフィックの責任者であるアレックス・ルミエール(Alex Lalumiere)氏と、日本HP 3Dプリンティング事業部 事業部長の秋山仁氏に話を聞いた。 - 絶対に押さえておきたい、3Dプリンタ活用に欠かせない3Dデータ作成のポイント
3Dプリンタや3Dスキャナ、3D CADやCGツールなど、より手軽に安価に利用できるようになってきたデジタルファブリケーション技術に着目し、本格的な設計業務の中で、これらをどのように活用すべきかを提示する連載。第4回は、3Dプリンタを活用する上で欠かせない「3Dデータ」に着目し、3Dデータ作成の注意点や知っておきたい基礎知識について解説する。