アシックス、パラメトリック設計と3Dプリント技術で実現したサンダルを限定販売:3Dプリンタニュース
アシックスは、アシックス スポーツ工学研究所がこれまで培ってきた知的技術と、3Dプリンタによる新たな製造方式を組み合わせたアフターパフォーマンスサンダル「ACTIBREEZE 3D SANDAL」を開発し、2022年7月20日からアシックスオンラインストアで数量限定販売を開始した。
アシックスは2022年7月16日、同社の研究開発を担うアシックス スポーツ工学研究所がこれまで培ってきた知的技術と、3Dプリンタによる新たな製造方式を組み合わせたアフターパフォーマンスサンダル「ACTIBREEZE 3D SANDAL」を開発し、同年7月20日からアシックスオンラインストアで数量限定販売を開始したことを発表した。販売価格(税込み)は9900円で、カラーはブラック。サイズはS、M、L、XLの4サイズを展開する(原稿執筆時点で「完売」となっている)。
パラメトリック設計とLuxCreoの3Dプリント技術で実現
同製品は、パラメーターを設定し、その数値を変えることで膨大なデザインバリエーションを生み出せるパラメトリックデザイン手法(関連記事:アシックスが挑むシューズ設計の効率化、パラメトリック最適化プロセスの適用事例)と、高速造形技術「LEAP」を有するLuxCreoの3Dプリント技術によって生み出された先進的な格子構造を特長とするアスリート向けのサンダルである。
弾性に優れた樹脂素材が用いられ、立体的かつ厚みのある格子構造を重ね合わせることで、通気性と柔らかさを実現するとともに、部位に応じて硬さを変えるなど足の負担軽減を図る機能性を兼ね備えている。
特に、同製品は通気性に優れており、アシックス スポーツ工学研究所が実施した温湿度比較試験では、他のサンダルやシューズと比べて、足裏の湿度と温度を低く保てることを確認できたという。また、靴底の横幅を広くすることで安定性も確保し、競技やトレーニング後のアスリートの快適な履き心地や歩きやすさを追求している。
同社は、同製品の提供を通じて、スポーツ後の疲れた身体を休めるアフターパフォーマンスの時間をより一層効果的にし、レース本番のアスリートの優れたパフォーマンス発揮をサポートするとしている。また同製品の展開を、同社にとってのアフターパフォーマンス領域への取り組みのスタートと位置付け、アスリートに高いレベルのパフォーマンスとプロテクション(保護/予防)を提供するという、同社の目標達成につなげていきたい考えを示す。
同製品の開発について、アシックス スポーツ工学研究所 主任研究員の波多野元貴氏は「デジタル設計と3Dプリントの利点を生かし、高速に数多くのバリエーションを試作するなど、これまでとは異なる新たな取り組みに挑戦した。数式とパラメーターの制御により、形状を自由に変化させ、複雑な3次元構造を設計するパラメトリックデザイン手法を用い、通気性と弾力性を兼ね備え、適度な柔らかさと安定性を備える先進的なサンダルを完成させた。この設計/製造手法の確立によって、顧客一人一人の足形データやニーズなどにあわせてシューズ形状などをパーソナライズ化するという、当社が掲げる未来の実現にも近づけられたと考える」(ニュースリリースより抜粋/編集)と述べている。
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