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電動フォークリフトの電池が3000kWhの蓄電所に、300世帯の1日の電力まかなう:電動化
NExT-e Solutionsと九州電力は2022年8月5日、電力系統に接続した系統用蓄電池「大牟田蓄電所」(福岡県大牟田市)の運用を開始したと発表した。
NExT-e Solutionsと九州電力は2022年8月5日、電力系統に接続した系統用蓄電池「大牟田蓄電所」(福岡県大牟田市)の運用を開始したと発表した。電動フォークリフトで使用した蓄電池を再利用し、再生可能エネルギーの発電量の調整や、電力需給が逼迫したときの供給力として活用していく。
大牟田蓄電所は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業(事業期間2019年5月〜2021年5月)の一環で、NExT-eSと九州電力、九電グループのニシム電子工業が構築した。リチウムイオン電池は、NExT-eSが独自に開発した電池パック108個をトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)の電動フォークリフトで使用した後、大牟田蓄電所で再利用している。
蓄電所は出力1000kW、蓄電容量3000kWhとなっており、一般家庭300世帯での1日の使用量に相当する再エネの有効活用や、電力の安定供給に貢献する。蓄電所の所有、維持、管理はNExT-eSが担う。
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