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温度差5℃で自己発電、環境発電技術を搭載した振動センサーデバイスを発売:組み込み開発ニュース
KELKは、エネルギーハーベスティングを利用した電池レスIoT振動センサーデバイス「熱電EH振動センサーデバイス KELGEN SD KSGD-SV」を発表した。温度差5℃以上で自己発電し、回転機器の異常振動を検知できる。
KELKは2022年7月11日、エネルギーハーベスティングを利用した電池レスIoT(モノのインターネット)振動センサーデバイス「熱電EH振動センサーデバイス KELGEN(ケルジェン) SD KSGD-SV」を発表した。間欠動作の回転機器や大型モーターに設置可能で、排熱を利用して動作し、機器の異常振動を検知できる。
モーター表面と外気の温度差が5℃以上で自己発電し、回転機器の振動を測定できる。故障初期の異常な振動を素早く検知するため、突発的な故障による機会損失や修繕費用、点検費用を削減できる。また、設備モニタリングシステム用の配線工事や電池交換が不要で、初期費用や運用費用も抑えられる。
現在、周波数解析タイプの「KSGD-SV7」、速度RMSタイプの「KSGD-SV8」、簡易測定タイプの「KSGD-SV9」をラインアップ。測定頻度はKSGD-SV8の場合、温度差5℃で45分間蓄電した後に1回とする。
無線ネットワーク「KELGEN SD-Net」や、汎用PCを使ったデータ収集ソフトウェア「KELGEN SDM」、データ利活用ソフトウェア「SDM-Plus」も用意し、KSGD-SVと組み合わせて設備モニタリング用「KELGEN SDシステム」を構築することで、設備状況を見える化し、設備保全の生産性向上に貢献する。
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