パナソニックが米国に車載用リチウムイオン電池の生産拠点、投資は40億ドルに:電動化
パナソニック エナジーは2022年7月14日、米国カンザス州の投資誘致補助金制度に申請が承認されたと発表した。親会社であるパナソニック ホールディングスの取締役会で承認が得られれば、カンザス州東部のデソトに車載用リチウムイオン電池の生産拠点を建設する。
パナソニック エナジーは2022年7月14日、米国カンザス州の投資誘致補助金制度に申請が承認されたと発表した。親会社であるパナソニック ホールディングスの取締役会で承認が得られれば、カンザス州東部のデソトに車載用リチウムイオン電池の生産拠点を建設する。
新工場では最大4000人の雇用と40億ドル(約5560億円)の投資を創出することが期待されているという。パナソニックグループは現在、米国ではネバダ州スパークスにあるPanasonic Energy of North America(PENA)で車載用リチウムイオン電池を生産しており、車載用のセル出荷数は60億個を突破した。
カンザス州知事のローラ・ケリー氏は、「このプロジェクトはカンザス州の経済に変革をもたらし、質の高いハイテク人材の雇用機会を提供すると同時に、より持続可能な未来を築く新しい産業をもたらす。これはカンザス州にとって重要なマイルストーンであり、経済成長と発展の原動力となる」と述べている。
パナソニック エナジーは国内生産への投資も進めている。和歌山工場(和歌山県紀の川市)に新型車載用リチウムイオン電池「4680」の生産設備を設置し、2023年度中に量産を開始する。これまでテスラ向けでは1865、2170というサイズの車載用円筒形リチウムイオン電池セルを供給してきた。テスラとのパートナーシップの中で、次世代EV(電気自動車)に求められる電池セルとして4680を開発。4680は北米でも早期に生産したい考えだ。
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