Armで最も勢いのあるインフラ向け事業、AWSやAzureなどクラウドでの採用が急拡大:組み込み開発ニュース(2/2 ページ)
アームがサーバ向けプロセッサ「Neoverse」を中核とするインフラ向け事業の戦略を説明。クラウドやデータセンター、5Gなどの無線通信インフラ、ネットワーク/エッジ機器、スーパーコンピュータなどHPCの4分野で着実に採用を広げており、特にAWSやマイクロソフトの「Azure」といったパブリッククラウドへの浸透で手応えを得ているという。
「Azure」が「Neoverse」を採用、コストパフォーマンスで高い評価
クラウドレベルでの採用についても、クラウドでは先述したAWSやAzureの他、オラクル(Oracle)の「Oracle Cloud Infrastructure」、アリババ(Alibaba)の「Alibaba Cloud」、テンセント(Tencent)の「Tencent Cloud」などが挙がっている。5Gインフラ向けでは、レノボ(Lenovo)、デル・テクノロジーズ(Dell Technologies)、HPE(Hewlett Packard Enterprise)がNeoverseベースのシステムをリリースしている。そして、NVIDIAが3つのプロセッサ製品と名打って発売したDPU「Grace」もNeoverseを採用しているという。
Neoverseを採用したプロセッサ製品で好調なのがAltra/Altra Maxだろう。特に、中国、台湾のメーカーやクラウドベンダーへの浸透が著しく、AzureのNeoverse採用もAltraによるものだ。バーギー氏は「Azureではx86とArmのデュアル環境を推進しており、Armは特にコストパフォーマンスで高い評価を得ている」と強調する。
5Gインフラ分野については、2021年10月に立ち上げた「Arm 5G Solutions Lab」の活動を拡大しており、通信キャリアなどを含めた約100社が利用しているという。「携帯電話技術で日本企業の果たしてきた役割は大きい。楽天モバイルから興味を持ってもらえているが、ぜひ他の通信キャリアや通信機器ベンダーにも参加してもらいたい」(バーギー氏)としている。
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