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IntelとAMDを超えたArmのサーバ向けプロセッサ、実はソフトバンクのおかげ?Arm最新動向報告(11)(1/3 ページ)

Armが開催した年次イベント「Arm DevSummit 2020」の発表内容をピックアップする形で同社の最新動向について報告する本連載。今回は、「Neoverseシリーズ」をはじめとするサーバ向けプロセッサの新展開や、「Cortex-Aシリーズ」関連の新IPなどについて紹介する。

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 2018年、2019年とArmの年次イベント「Arm TechCon」のレポートなどを通してArmの最新動向を伝えてきた本連載だが、2020年については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響ももちろんあるが、それよりも例年開催してきたユーザーイベントが「Arm TechCon」から「Arm DevSummit(以下、DevSummit)」に変わったことで、いろいろと方向性の違いが出てきた。それに加えて、NVIDIAによるArmの買収もあり、Armの出すニュースの重要度が薄れてしまった(というか、NVIDIAの買収のインパクトが大きすぎて、どんなニュースを出しても勝てなくなってしまったというか)。

 とは言いながらも、ArmはDevSummit前後およびDevSummitにおいて、幾つかの大きな発表を行っている。まずは、Armのサーバ向けプロセッサ「Neoverse」のエコシステムと関連する業界イニシアチブ「Project Cassini」と、これに基づく認証プログラム「Arm System Ready」。そして、幾つかの新しいIP、特にNeoverse向けで新しいラインアップを追加した。また、IPライセンスの提供モデル「Arm Flexible Access」と関わる長期ロードマップ「Roadmap Guarantee」を含むIoTイニシアチブも発表している。さらに、大々的な発表は行われていないが「PSA」に関しても着々と普及が進んでいる。このあたりの進捗というかアップデートを3回程度に分けて紹介していきたい。今回紹介するのは、DevSummit前後で発表された新IPについてだ。

⇒連載「Arm最新動向報告」バックナンバー

「Neoverse」のラインアップは3種類に、IntelとAMDを追い抜く

 DevSummit前後における新IPの発表は、時系列的に並べると以下のようになっている。

 これらのうちDevSummit中に発表されたのは10月7日のTotal Computeのロードマップのみで、しかもIPの詳細は全然明らかになっていない。恐らくは、あえて外したのであろうとは想像できる。

 さて、順に説明しよう。まずは9月22日のNeoverse N2/V1から。サーバ向けプロセッサであるNeoverseシリーズの最初のIPとなる「Neoverse N1」を利用した「Ares Platform」は、その前に導入された「Cosmos Platform」ベースの製品に比べて大きく性能を伸ばした。図1では、AWS(Amazon Web Services)におけるNeoverseシリーズの実例が紹介されている。AWSは2015年に同社が買収したAnnapurna labsによる「Gravitonチップ」をベースに「M5」というインスタンスが提供していたが、これがCosmos Platformベースになる。次いでAnnapurna labsは、今度はAres Platformベースの「Graviton 2チップ」を開発。これがAWSで「M6」インスタンスとして提供されている。

図1
図1 ここに出てくる数字はArmのものではなく、AWSあるいはAWSを利用する顧客が出した数字である、という点がポイント(クリックで拡大)

 これらM5インスタンスとM6インスタンスの性能を比較したのが図1というわけだ。2019年に発表されたロードマップでは、毎年30%程度の性能改善を行うとしていたが、実際には30%を超え(図1の数字の幾何平均を取ると38%近い)、中には65%もの性能向上を実現しているものもある、としている(図2)。

図2
図2 これはSPECint 2017の結果なのでまぁちょっと実情にあってないかもしれないが、図1でも中にはこれを超える結果を出す場合もあることは事実(クリックで拡大)

 その結果として、ArmのNeoverse N1は、既に“Traditional Architecture”のマシンを射程に入れられる、としている(図3)。1Uシステムで、消費電力縛り(ラック当たり25kW)を入れると、Neoverse N1の方が絶対性能値でも消費電力当たりの性能値でも上回っているというわけだ。これまでArmのサーバ向け製品はIntel(や最近だとAMD)の牙城を崩すのは時期尚早と考えられていたのだが、やっとIntelをキャッチアップできるところまで性能が上がってきた。

図3
図3 言うまでもなく「Xeon」がターゲットである。ここで想定しているのは「Xeon Gold 6238R」。性能に関しては、Intelのプレスリリースをベースにしたとのこと(クリックで拡大)

 ということで本題。2020年は「Zeus Platform」が投入されることが図2でも説明されているが、このZeus PlatformはIntelやAMDをキャッチアップするだけでなく、これを追い抜かねばならない。もちろん性能で抜いたからといっていきなりシェアがひっくり返るようなものではないが、抜けないようではシェアうんぬん以前の問題である。そのための策として、まずNeoverseのラインアップを3種類にした。ピーク性能を追求する「Vシリーズ」、スケールアウト性を高めた「Nシリーズ」、それと高効率の「Eシリーズ」である(図4)。

図4
図4 相対的に、Eシリーズが「Cortex-A65」ベースのNeoverse E1のみというあたりがややラインアップの薄さを感じさせるが、それは仕方ないところか(クリックで拡大)
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