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手製の銃=3Dプリンタ製と短絡的に考えるのそろそろやめませんか?メカ設計メルマガ 編集後記

根拠もないのにその可能性を報じることに違和感を覚えました。

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この記事は、2022年7月12日発行の「メカ設計 メールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。

⇒ 「メルマガ編集後記」のバックナンバーはこちら

 2022年7月8日、参院選の街頭演説中だった元首相の安倍晋三氏が銃で撃たれ、殺害された事件に、日本のみならず世界中に衝撃が走りました。まさか、こうした事件がこの日本で実際に発生し、しかも銃を使った犯罪によって、国のトップに立ったことのある人物が殺害されてしまうとは……。「平和な日本」というのはもはや幻想なのかもしれませんね。

 さて、本件そのものはもちろんなのですが、もう1つ別の視点で衝撃というか、驚きというか、何とも残念に感じたことがありました。

※画像はイメージです
※画像はイメージです

 それは、使用された銃が「手製らしい」という情報が出始めたと思った直後、TVの報道番組で3Dプリンタで作られた可能性に言及していたり、そうした趣旨の質問をして専門家からの回答を求めたりしている動きが見られたことです。さらに、事件の数時間後、まだ使用された武器の詳細が分からない段階にもかかわらず、某週刊誌のネットニュースに「安倍元首相を狙撃した銃は『3Dプリンター製改造銃』の可能性〜」というタイトルの記事が公開されていたことに驚きました。

 いずれもその“可能性”について言及しているのであって、断定しているわけではありませんが、なぜそんなにも「3Dプリンタ」と結び付けたがるのでしょうか?

手製の銃=3Dプリンタ製と短絡的に考えるのそろそろやめませんか?

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