自動化設備で生産能力倍増、昭和産業の“未来の基幹工場”が稼働:工場ニュース
小麦粉や食用油などの食品を手掛ける昭和産業は2022年6月29日、船橋工場内(千葉県船橋市)に新設し、同月に操業を開始したプレミックス第2工場を報道陣に公開した。
小麦粉や食用油などの食品を手掛ける昭和産業は2022年6月29日、船橋工場内(千葉県船橋市)に新設し、同月に操業を開始したプレミックス第2工場を報道陣に公開した。多数の自動化設備、機械を導入しており、昭和産業 取締役常務執行役員の山口龍也氏は「将来的に、この第2工場をプレミックス事業の基幹工場と位置付けている」と期待する。
プレミックスとは用途別にあらかじめ小麦粉や調味料を配合したものをいう。第2工場では数百g〜2kgの小袋製品のホットケーキミックスやお好み焼き粉、たこ焼き粉、天ぷら粉などを主に製造、包装する。投資額は62億円。鉄骨造り5階建て、延べ床面積は1万1000m2、生産能力はこれまで小袋製品を生産していた船橋パッケージセンターと比べて2倍となる年間2万8000tとなったが、従業員は約60人と従来の約80人から3割ほど省人化している。
新工場建設に当たっては「安心安全の追求」「生産効率への挑戦」の2つをコンセプトとした。安心安全の追求では、調味料などの副原料は従業員と交差しないようローラーコンベヤーで運び、アレルゲンの計量に際しても計量する従業員と軽量後に運び出す従業員の動線を区分けするなど、人とモノの動線を最適化した。重量や異物などを全数検査できるよう各種検査機器を取り入れ、品質管理室も工場内に設置した。製造エリアへの入場には顔認証システムを導入している。
生産効率への挑戦では、これまで人が行っていた充填後の製品を段ボール箱などに梱包する作業をロボットで自動化した他、包装材の搬送もフォークリフトからAGV(無人搬送ロボット)に置き換えた。また、自動倉庫で包装材を保管し、自動充填機や自動計量機も導入した。全工程の設定、稼働データは一元管理され、手入力などを排除、タブレット端末による操作や入力も可能となった。日報なども自動作成できるという。昭和産業 執行役員 船橋工場長の仙波美智代氏は「自動化することで作業負担がだいぶ減り、働く人にも優しい工場になった」と語る。
日本の高齢化や女性の社会進出により、食品市場は中長期的に外食、中食の需要増加が見込まれている。山口氏は「店舗における作業オペレーション上、数百g単位の小袋が使用される傾向があり、今後はこういった小袋製品の需要が高まると考えている。第2工場は小袋製品に特化し、効率的な生産が可能になっている。これまでお受けできなかった小容量の生産でも対応できる」と自信を見せる。第2工場は研究開発などを行うRD&Eセンターと隣接しており、「スーパーの商品開発などもお手伝いしたい」(同氏)と意気込む。
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