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ホンダやマツダの生産が前年同月比で半減、2022年度の厳しいスタート自動車メーカー生産動向(2/2 ページ)

半導体不足や中国のロックダウンなどサプライチェーンの混乱が深刻化しており、日系乗用車メーカー8社が発表した2022年4月の生産台数では、ダイハツ工業とSUBARU(スバル)を除く6社が前年割れとなった。

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ホンダ

 8社の中で最も厳しい状況となったのがホンダだ。4月のグローバル生産台数は、前年同月比54.2%減の19万60台と半減以下に落ち込み、2カ月連続のマイナス。8社の順位でも、スズキと日産自動車に及ばず4位に下げた。このうち海外生産は、同53.4%減の16万2462台と2カ月連続の減少。中でもロックダウンで稼働停止を余儀なくされた中国は前年比8割減と急減した。その結果、アジアトータルでも同66.6%減と大幅に減らし、2カ月連続の減少となった。北米も同27.6%減と11カ月連続のマイナスだった。

 中国のロックダウンによる部品供給難は、国内生産も大きな影響を受けた。「N-BOX」や「ヴェゼル」などを生産する鈴鹿製作所の4月の稼働率は、当初計画比7割から5割まで低下。「フリード」や「シビック」などを生産する埼玉製作所の稼働率も当初の計画比9割から7割へ低下するなど、生産調整を実施している。その結果、4月の国内生産は前年同月比58.1%減の2万7598台と大幅に落ち込み、6カ月ぶりの前年割れとなった。

日産

 日産も落ち込みが目立った。4月のグローバル生産は、前年同月比26.5%減の20万7268台と10カ月連続で前年実績を下回った。半導体不足や中国のロックダウンなど部品調達の混乱が響いている。国内生産は、同43.7%減の3万93台と大幅に減少し、8カ月連続のマイナスだった。これを受けて輸出も同48.2%減と半減した。

 海外生産は、前年同月比22.4%減の17万7175台と10カ月連続で減少した。要因はロックダウンが実施された中国で、同51.1%減と半減。2カ月連続のマイナスとなった。一方、北米は同0.9%減と微減にとどめた。メキシコは同12.4%減と振るわなかったが、「パスファインダー」や「フロンティア」など新型車がけん引する米国は同12.3%増と伸長した。新型「キャシュカイ」が好調な英国も同90.8%増と大きな伸びを見せた。

三菱自

 三菱自動車もサプライチェーン混乱の影響が出ている。4月のグローバル生産台数は、前年同月比31.4%減の5万3463台と2カ月連続で減少した。このうち海外生産は、同29.4%減の3万223台と2カ月連続のマイナス。主要地域の東南アジアは部品調達の問題に加えてコロナ禍からの反動増が一巡した結果、主力拠点のタイが同27.5%減、回復のけん引役だったインドネシアも同32.2%減と大きな落ち込みを見せている。中国はロックダウンの影響もあり、同72.2%減と低迷した。国内生産も厳しく、同33.8%減の2万3240台と5カ月連続で減少した。

マツダ

 ホンダと並び厳しい状況なのがマツダだ。4月のグローバル生産台数は、前年同月比49.9%減の4万6675台と半減し、10カ月連続で減少した。その結果、8社の順位は、スバルや三菱自を下回り最下位となった。主力の国内生産は同52.6%減の3万146台と10カ月連続のマイナスだった。これは中国のロックダウンの影響で部品調達に支障をきたした結果、広島工場と防府工場で8日間の稼働停止を余儀なくされたことが大きい。車種別では「CX-5」が同44.1%減、「CX-30」が同44.8%減、「マツダ3」が同64.4%減と主力モデルが軒並み大幅減となった。

 海外生産も、前年同月比44.2%減の1万6529台と振るわず、2カ月連続のマイナスだった。中国がロックダウンや半導体不足により稼働停止を実施したことで同81.0%減と急減し、2カ月連続で減少した。メキシコも9日間の稼働停止により同49.9%減と半減。1月から操業開始した米国新工場の新型車「CX-50」が純増となり、北米トータルでは同30.4%減となり、2カ月連続のマイナスだった。一方タイは、前年4月に生産ラインの工事で稼働を停止していた反動により、同215.7%増と高い伸びを見せた。

スバル

 8社の中で唯一好調だったのがスバルだ。4月のグローバル生産台数は、前年同月比63.3%増の7万762台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。グローバル生産が2桁%増となったのはスバルのみで、その結果、8社の順位では6位まで上昇した。半導体など部品の供給状況が前年4月と比較して改善したことが台数増につながった。

 特に伸びたのが唯一の海外拠点である米国生産で、前年同月比85.0%増の2万6548台と2カ月連続のプラス。ただ、相変わらず米国での受注は好調で、車両の在庫が足りない状況が続いている。国内生産も、同52.6%増の4万4214台と3カ月ぶりにプラスへ転じた。国内では排気量1.8l(リットル)の直噴ターボエンジン「CB18」の不具合により、4月から同エンジンを搭載する「レヴォーグ」「フォレスター」「アウトバック」の生産を停止しているが、生産車種の切り替えなどにより影響を抑えたことで、前年比プラスを確保した。

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