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ホンダやマツダの生産が前年同月比で半減、2022年度の厳しいスタート自動車メーカー生産動向(1/2 ページ)

半導体不足や中国のロックダウンなどサプライチェーンの混乱が深刻化しており、日系乗用車メーカー8社が発表した2022年4月の生産台数では、ダイハツ工業とSUBARU(スバル)を除く6社が前年割れとなった。

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 半導体不足や中国のロックダウンなどサプライチェーンの混乱が深刻化しており、日系乗用車メーカー8社が発表した2022年4月の生産台数では、ダイハツ工業とSUBARU(スバル)を除く6社が前年割れとなった。

 ホンダやマツダが前年比で半減し、グローバル生産台数の順位も大きく変動するなど、4月は自動車メーカーによって温度差が大きく表れた。中国のロックダウンの影響は国内生産にも影響を及ぼしており、相次いで稼働停止を余儀なくされている。中国では6月からロックダウンが順次解除されているものの、サプライチェーンへの影響はしばらく続く見通しであり、半導体不足と合わせて自動車生産の本格回復は程遠いと言わざるを得ない状況だ。

→「自動車メーカー生産動向」のバックナンバーはこちら

 日系乗用車メーカー8社合計の2022年4月のグローバル生産台数は、前年同月比20.1%減の165万9930台と2カ月連続で前年実績を下回った。中国でのロックダウンがさまざまな影響を及ぼしており、中国で生産する5社合計が同58.9%減と大幅な落ち込みを示し、8社合計の海外生産は同20.5%減の111万1679台と2カ月連続で減少した。部品調達難の影響は国内生産も及んでおり、同19.3%減の54万8251台と9カ月連続のマイナス。3月に続く2桁%のマイナスで、回復の兆しは見えていない。

 4月はグローバル生産の順位も大きく変動した。これは各社の中国事業のウエートの大きさがグローバル生産にも反映された結果だ。トヨタ自動車に次ぐ2位が定位置のホンダは、4位に後退。反対に中国生産がなく、インドや東南アジア事業が堅調なスズキがホンダと入れ替わる形で2位へとジャンプアップした。同様に中国生産がないスバルも好調で、ダイハツに次ぐ6位へと順位を上げた。一方、厳しいのがマツダで、8社の中では最下位となった。

2022年4月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 243,425 448,834 153,154 93,297 692,259
▲ 9.0 ▲ 9.1 ▲ 7.1 ▲ 33.8 ▲ 9.1
スズキ 70,289 183,425 - - 253,714
▲ 15.1 0.1 - - ▲ 4.6
日産 30,093 177,175 73,077 49,629 207,268
▲ 43.7 ▲ 22.4 ▲ 0.9 ▲ 51.1 ▲ 26.5
ホンダ 27,598 162,462 88,549 31,869 190,060
▲ 58.1 ▲ 53.4 ▲ 27.6 ▲ 81.4 ▲ 54.2
ダイハツ 79,246 66,483 - - 145,729
▲ 3.9 15.7 - - 4.1
スバル 44,214 26,548 26,548 - 70,762
52.6 85.0 85.0 - 63.3
三菱自 23,240 30,223 - 1,724 53,463
▲ 33.8 ▲ 29.4 - ▲ 72.2 ▲ 31.4
マツダ 30,146 16,529 6,896 3,370 46,675
▲ 52.6 ▲ 44.2 ▲ 30.4 ▲ 81.0 ▲ 49.9
合計 548,251 1,111,679 348,224 179,889 1,659,930
▲ 19.3 ▲ 20.5 ▲ 9.6 ▲ 58.9 ▲ 20.1
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

トヨタ

 メーカー別に見ると、トヨタ自動車の4月のグローバル生産台数は、前年同月比9.1%減の69万2259台と3カ月ぶりに前年実績を下回った。部品調達難の影響が広がっており、4月のグローバル生産は当初計画の75万台を下回る結果となった。このうち国内生産は、同9.0%減の24万3425台と2カ月連続のマイナス。半導体不足の影響が長期化しており、稼働停止を余儀なくされた。

 海外生産は、前年同月比9.1%減の44万8834台と3カ月ぶりのマイナス。地域別では、中国がロックダウンによる稼働停止などで同33.8%減と大きく低迷。ただ、中国に生産拠点を構える5社では最小の落ち込み幅にとどめている。インドネシアやタイ、インドなどは好調だったものの、中国の落ち込みをカバーするには至らず、アジアトータルでは同11.3%減だった。北米は、部品供給の逼迫(ひっぱく)により同7.1%減と2カ月ぶりの減少。欧州も北米同様に部品供給の影響が広がっており、同14.4%減と低迷した。

スズキ

 スズキの4月のグローバル生産は、前年同月比4.6%減の25万3714台と2カ月連続のマイナスだった。8社の中でグローバル生産台数はトヨタに次ぐ2位となったものの、中国生産がなく、他社に比べて落ち込みが小さかったことが要因で、好調とは言い難い。海外生産は、グローバル生産の半数以上を担うインドは同1.6%減と2カ月連続で減少した一方で、ハンガリーやインドネシアが増加した結果、海外トータルでは同0.1%増の18万3425台と微増を確保し、2カ月ぶりのプラスとなった。

 一方、国内生産は、前年同月比15.1%減の7万289台と2カ月連続のマイナス。中国からの部品調達難や半導体不足により、湖西工場と磐田工場、相良工場で操業停止を実施したことが減産要因となった。

ダイハツ

 スズキと同様の状況なのがダイハツだ。4月のグローバル生産台数は、前年同月比4.1%増の14万5729台と2カ月ぶりに増加し、4月として過去最高の台数を記録した。好調なのが海外で、海外販売が4月として過去最高を更新したこともあり、生産も同15.7%増の6万6483台と9カ月連続のプラス。中でもマレーシアが同29.1%増と好調で、小型車「マイヴィ」やSUV「アルズ」がけん引した。インドネシアも同8.3%増で、前年のロックダウンによる低迷に対する反動増が続いている。

 一方、国内生産は、前年同月比3.9%減の7万9246台と2カ月連続のマイナス。中国からの部品供給難などにより大阪の本社工場や滋賀工場、ダイハツ九州工場で稼働停止を実施した。これにより登録車が同12.1%減と低迷した。

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