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ドローン向けリモートID機器の量産を開始、GNSSによる機体の位置特定が可能:組み込み開発ニュース
アルプスアルパインは、ドローンの識別情報である登録記号や機体の位置情報などを電波で発信可能な無線送信機「リモートID機器」を開発した。国土交通省が定める仕様に準拠し、搭載したGNSSにより機体の位置を特定できる。
アルプスアルパインは2022年5月25日、ドローンの識別情報である機体固有ID(登録記号)や機体の位置情報などを電波で発信可能な無線送信機「リモートID機器」を発表した。同月下旬より量産を開始している。
今回開発した機器は、国土交通省が定める仕様に準拠し、搭載したGNSS(全地球測位システム)により機体の位置を特定可能。登録記号送信用に独自開発したモジュールは、Bluetooth5.0 Low Energy Long Rangeに対応しており、通信距離は実用で1500m以上となっている。
サイズは60×30×18mmで、重量はリチウムイオンバッテリー込みで約33g。同社開発の気圧センサーを採用しており、気圧高度に対応した。また、IP54相当の防塵および防水規格に適合している。
USBコネクターを備えており、外部機器を接続することで機能を拡張できる。また、ソフトウェアのアップデートも可能で、将来的には登録記号送信以外の通信技術を応用した機能拡張にも対応する。
同機器は、既に国内産業用ドローンメーカーのイームズロボティクスへの納入が決定している。
今後は、イームズロボティクスと連携して、産業用ドローン向けの販売を進めていく。さらに、高齢者向け電動カートなど、固有IDによる遠隔での位置情報特定が求められるさまざまな移動体への応用も検討していく。
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