高速道路や交差点……LiDARが場面に応じて異なるスキャン、ソフトウェアがカギ:自動運転技術
コンチネンタルは、資本提携しているAEyeとともに、ソフトウェアでアップデート可能なLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)の開発を進めている。
コンチネンタルは、資本提携しているAEyeとともに、ソフトウェアでアップデート可能なLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)の開発を進めている。
AEyeは増幅可能な1550nmレーザーにフィードバック制御MEMSを組み合わせて長距離検知に対応したソリッドステート型LiDARを手掛ける。車両であれば300m以上先、歩行者では200m以上先でも検知できる。サイズが小さく光の反射が少ないれんがのような物体でも160m先から認識できるという。車載用では2024年に、車載用以外ではAEyeから2022年中に量産を開始する予定だ。
AEyeのLiDARの特徴は、ソフトウェアによって画角の中の特定の部分の解像度を高め、測定距離を伸ばすことができる点だ。カーナビゲーションシステムの情報や走行速度に応じてスキャン方法を変更することが可能になる。
「ある部分だけゆっくりレーザー光を打つことで部分的な解像度を高めるのは他社もやっているが、ショットパワーまではコントロールしていない。われわれのLiDARは、どの位置にどのくらいのレーザー光の強さで打つかを決めることができる。レーザー光を打たなくていい部分のスキャンをスキップすることも可能だ。LiDARはアイセーフを満たすために使える光の量が決まっている。それをソフトウェアで見たいところに配分するよう自由に定義できる」(AEyeの説明員)
これにより、交差点では広く、高速道路では前方に集中させるといった場面に応じたスキャンを実現する。また、ソフトウェアで自動運転システムやADAS(先進運転支援システム)の性能を向上させるときにLiDARもアップデートできるという。
LiDARは自動車部品としてはまだコストが高い。AEyeの説明員は、「LiDARが実現する機能やその効果によっては、コストを払ってもいい機能になるのではないか。また、ソフトウェアで進化する余地があるというのも強みになる。ソフトウェアでクルマが進化できるようになっていく中で、その進化に対応するために部品をハードウェアごと取り換えなければならないのでは価値が出せない」と述べる。
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