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「普通充電ケーブルを2本もEVに積むのはイヤ!」、プラグの付け替えで利便性向上電動化

ボッシュは「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)向けの普通充電用ケーブル「フレキシブルチャージングケーブル」を展示した。

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 「充電ケーブルを2種類もクルマに積むの、どうにかならないの? とっさに区別がつかないし、重くてかさばるし……」。セカンドカーのEV(電気自動車)を使う妻の声を受けて、技術者が動いた。

 ボッシュは「人とくるまのテクノロジー展 2022 YOKOHAMA」(2022年5月25〜27日、パシフィコ横浜)において、EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)向けの普通充電用ケーブル「フレキシブルチャージングケーブル」を展示した。現在は欧州仕様の開発を進めており、2023年第1四半期にも量産を予定している。新車販売時のオプション装備などとして提供する。


コントロールボックスつきの普通充電用ケーブルの例[クリックで拡大] 出所:パナソニック

 出展した普通充電ケーブルは、自宅などの屋外コンセント用のプラグと、公共の普通充電器用のプラグを付け替えられるようにしたのが特徴だ。

 欧州では公共の普通充電器にケーブルが付属しておらず、ユーザーが自分のケーブルを使う必要がある。コンセント用の充電ケーブルにはコントロールボックスが付属しているため普通充電器では使用できず、2種類の普通充電ケーブルを携行しなければならない。


付け替え可能なプラグ。上が普通充電器用、下がコンセント用[クリックで拡大]

 今回発表した普通充電ケーブルは、コントロールボックスをなくしたことでプラグを付け替えてコンセントでも普通充電器でも充電できる。コンセント用と普通充電器用の2種類の充電ケーブルを携行する必要がなくなるのがメリットだ。EVを使う家族からの悩みがきっかけで開発がスタートした。

 コンセント用のプラグには、漏電時の遮断やコンセントのオーバーヒート時の保護といったコントロールボックスとしての機能が集約されている。コントロールボックスが分離した従来のタイプと比べて、コンセントに近いところで安全機能が働くのもメリットとなる。

 プラグを付け替えればコンセントの形状が異なる地域での充電にも対応できる。現状では、コンセントの形状が異なる地域で充電するには、その地域のコンセント形状に対応した普通充電ケーブルを別途持つ必要がある。国境を超えて遠出したときにもコンセントから充電しやすくなれば、利便性の向上も図れる。コンセント形状の違いは欧州だけでなく米国国内にもある。さまざまな地域に向けて、付け替え可能なプラグを展開していきたい考えだ。

 今後は、普通充電ケーブルの車両側プラグにIoT(モノのインターネット)機能を持たせる。スマートフォンアプリから充電状況をチェックしたり、遠隔で充電スケジュールを設定したりできるようにする。さらに、公共の普通充電器を使う際にプラグを接続するだけでユーザーを識別し、充電料金の決済などがスムーズに終わるようにする。


車両側のプラグ(写真左)にもIoT機能を持たせるなど進化させていく[クリックで拡大]

 EVなどの長距離の移動には急速充電が不可欠だが、設置する事業者のコスト負担が大きい。急速充電器よりも低コストな普通充電器の利便性を向上し、活用することがEVやPHEVの普及を後押しするとボッシュは見込んでいる。

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