エンプラをパウダー化する手法を確立、射出成形以外の製造方法への適用を提案:材料技術
ポリプラスチックスは「エンプラのパウダー化に成功:新製品DURAST Powder -特性改善や製造工程の合理化、材料ロス削減が可能に-」に関する情報を同社Webサイトで公開した。従来難しいとされていたエンジニアリングプラスチックのファインパウダー化の手法を確立し、さまざまな製造方法への適用を提案する。
エンジニアリングプラスチック(以下、エンプラ)の素材メーカーであるポリプラスチックスは2022年5月12日、「エンプラのパウダー化に成功:新製品DURAST Powder -特性改善や製造工程の合理化、材料ロス削減が可能に-」に関する情報を同社Webサイトで公開したことを発表した。
これまで、同社は射出成形などで扱いやすいペレット形状でエンプラを提供してきたが、新たに、射出成形や押し出し成形以外の製造方法へのエンプラ適用ニーズに応えるべく、エンプラファインパウダー「DURAST Powder」を開発。2022年4月1日からエンプラファインパウダー事業をスタートさせ、エンプラのパウダー化によるさまざまな製造方法への適用を提案している。
樹脂の特性改善や製造工程の合理化、材料ロス削減が可能に
エンプラは機械強度が優れた高分子量材料で、一般的な粉砕などの方法では樹脂同士や粉砕機との摩擦熱で樹脂が溶融してしまい、小粒径や狭粒径分布のパウダーを得ることが非常に難しいとされている。
こうした課題に対し、エンプラをパウダー形状で提供することが、顧客ニーズに応えるための1つのソリューションであると考えた同社は、パウダー製造方法を広く研究することで、従来のエンプラの強みを失うことなく、幅広い製造方法に対応可能なエンプラのファインパウダー化の手法を確立することに成功。その結果、同社が扱う各樹脂に対して、従来よりも高強度で円形度が高く、粒径分布もシャープなパウダーを製作することが可能になったという。
例えば、パウダー化したエンプラを添加剤として使用することで樹脂の特性改善や、粉末焼結積層造形(SLS:Selective Laser Sintering)方式3Dプリンタでの成形を生かした製造工程の合理化、材料ロス削減など、新たな性能発現の可能性を含む、さまざまな効果が期待できるとしている。
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