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無人搬送ロボットが手ぶら観光を実現、混雑度予測AIで正確な時刻に商品をお届け:人工知能ニュース(2/2 ページ)
三菱電機が同社のAI技術「Maisart」を活用した無人搬送ロボットを開発するとともに、この無人搬送ロボットを使って観光地で購入した物品を指定の時刻と場所に届けるサービス「手ぶら観光ソリューション」の実証実験を実施すると発表。実証実験は、2022年4月19〜22日にかけて、三重県多気町の大型商業リゾート施設「VISON」で行う予定。
購入品を収納するロッカーの割り当ても最適化
無人搬送ロボットには7つの収納ロッカーがあるが、1回の搬送でできるだけ多くの観光客に対応できるように割り当てを最適化する仕組みも取り入れた。7つの収納ロッカーは、奥行きは310mmで共通しているものの、幅は305〜463mm、高さは178〜440mmで異なっている。大きめの収納ロッカーであれば複数の購入品を収納することも可能だ。
そこで、商品サイズとロッカー容量に応じて、同じ観光客の複数店舗での購入品を同じロッカーに格納するなど、数学的に最適な組み合わせを求める方法により、ロッカーの割り当てを最適化できるようにした。なお、ロッカーの鍵の解除コードは、そのロッカーを開閉する店員と観光客のみに通知されるので、収納ミス、受け取りミスを防止できる。
今回の実証実験が行われるVisonは、約119haの敷地にホテルや産直市場、飲食店舗、オーガニック農園などがあり、約70店舗が出店する大型商業施設である。実証実験では、無人搬送ロボットの走行速度は最高で毎時4kmに抑え、イレギュラー対応などのため監視員が付く。観光客による購入物の受け取り時刻の設定は、30分前までであれば対応可能にするとしている。
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