UWBとマルチホップ無線を組み合わせ、屋内高精度測位システムを可搬型に:IoT&5Gソリューション展
ソナスは、「第11回 IoT&5Gソリューション展 春」において、UWBと同社が開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet」を組み合わせることで実現できる可搬型屋内高精度測位システムを披露した。
ソナスは、「第11回 IoT&5Gソリューション展 春」(東京ビッグサイト、2022年4月6〜8日)において、UWB(Ultra Wide Band)と同社が開発した省電力のマルチホップ無線「UNISONet(ユニゾネット)」を組み合わせることで実現できる可搬型屋内高精度測位システムを披露した。
ソナスの可搬型屋内高精度測位システムの展示。赤丸で示したのが測位アンカー、青丸で示したのが測位タグ、緑丸で示したのが測位ベースになる。三脚に装着した測位アンカーは、モバイルバッテリーで長期間動作させられる[クリックで拡大]
屋内における位置測位技術として注目を集めているのが、6.5G〜10GHzの周波数帯を用いるUWBである。これまで屋内の位置測位で用いられてきたBluetoothビーコンと比べて検知範囲が30m程度と広く、測位精度も数十cm程度と高いことに加えて、アップル(Apple)のスマートタグ「AirTag」など民生分野での採用が広がっていることも大きい。
UWBによる測位を行う場合、測位を行う対象が持つUWBタグの他に、UWBタグと通信して測位を行うためのアンカーと呼ぶ機器を複数設置し、それらの測位情報を同期する形でベースに収集する必要がある。ソナスが展示した可搬型屋内高精度測位システムは、一般的には通信や電源の供給を有線で行うアンカーについて、省電力のマルチホップ無線が可能なUNISONetを適用することで、いつでもどこでも屋内での高精度測位を行えるような可搬型のシステムに仕立てたものだ。
アンカーの通信に省電力のUNISONetを用いることで、一般的なモバイルバッテリーによる電源供給でも1週間〜10日間の稼働が可能になる。これによって有線での電源供給が不要になるので、屋内測位システムを完全に無線化できる。また、UNISONetのマルチホップ無線は1つのネットワークに数百台以上の多数収容が行えるので、より広い空間での屋内測位にも対応させられる。「展示会などの期間限定イベントなどであれば、バッテリーを交換することなくUWBによる高精度な屋内測位を継続できる」(ソナスの説明員)という。
また、UNISONetは、マルチホップ無線ネットワーク内におけるμsオーダーの時刻同期という特徴もあり「測位対象のUWBタグの移動経路に合わせたアンカーの起動タイミングの調整など最適化を行えば、さらなる省電力化も可能だろう」(同説明員)としている。
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