Bluetoothで人やモノがどの方向にいるかを検知、精度はセンチメートル単位に:組み込み開発ニュース
Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は2019年3月8日、東京都内で記者向けに説明会を開き、同年1月に発表された新技術である方向検知機能について紹介した。この機能はBluetoothデバイスに信号が発信された方向を認識させることで、対象物がどの方向にあるかを示す近接通信ソリューションや、センチメートル単位の精度で位置を特定できる測位システムを開発できるようにする。
Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は2019年3月8日、東京都内で記者向けに説明会を開き、同年1月に発表された新技術である方向検知機能について紹介した。この機能はBluetoothデバイスに信号が発信された方向を認識させることで、対象物がどの方向にあるかを示す近接通信ソリューションや、センチメートル単位の精度で位置を特定できる測位システムを開発できるようにする。複数のBluetoothアンテナを搭載したスマートフォンやビーコンなどが増えそうだ。
説明会にはBluetooth SIGのAPACデベロッパーリレーションズマネジャーであるカイ・レン氏が出席し、2019年1月に発表されたBluetoothのコア仕様Ver.5.1に含まれる方向検知機能を説明した。方向検知機能は、既存のBluetoothの位置情報サービスを補完するものだ。
Bluetoothは2種類の位置情報サービスを提供している。どちらも、受信信号強度をベースとする。1つ目は、2台のBluetoothデバイスの位置関係を元に位置関係を把握する近接通信ソリューションだ。Bluetoothデバイスが定期的に所在を発信し、ロケーターデバイスが範囲内にどのタグが入ってきているかを特定する仕組みとなっている。スマートフォンと組み合わせる忘れ物防止タグや、スーパーマーケットの特定のエリアにいる客に商品広告を通知するなどのユースケースがある。
もう1つは、Bluetoothによってデバイスの物理的な位置をメートル単位で絞り込む測位システムだ。移動する人やモノに付けられたBluetoothタグから受信した信号の強度を、複数の固定式ロケーターで分析する3点測量となる。現在はメートル単位の精度に限られている。
このほど発表した方向検知機能は、受信側もしくは発信側のBluetoothデバイスにアンテナを増やすことで実現する。受信側のデバイスでアンテナを増やす場合は発信側は単一のアンテナを使う。それぞれの受信アンテナは発信機までの距離が異なるため、受信する信号の位相が異なる。これにより、信号の受信角度で方向を検知する。発信側のデバイスにアンテナを増やす場合は受信側は単一のアンテナを使用する。受信側のデバイスは発信デバイスのアンテナの配置に関する情報を持っており、これを利用して相対的な方向を計算するという。
これにより、忘れ物を探すタグを使うスマートフォンアプリがモノがある場所の具体的な方向を示したり、Bluetoothで高精度な道案内を行ったりすることができるようになる。スマートフォンやビーコンはBluetoothアンテナを増やした方向検知機能対応の製品を開発する必要があるが、どちらか一方のデバイスは単一のアンテナで機能が実現するため、既存のスマートフォンでも方向検知機能を利用することも可能である。
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