10年前と比べて製造業の社員に求められることが「変化した」――6割が回答:キャリアニュース(2/2 ページ)
ラーニングエージェンシーが「製造業の社員に求められることの変化」についての調査結果を発表した。10年前と比べて、管理職、一般社員共に求められることが「変化した」と6割が回答。求められる社員像と実態には差があることも分かった。
「一般社員に期待されていること」にも変化が
続いて、製造業の一般社員について尋ねた。「10年前、一般社員に期待されていたこと」は、「定型的な業務を確実に遂行する」(77.4%)が最も多かった。他業種(78.7%)とほぼ同じ割合を占めている。2位は「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」(52.8%)、3位は「個人として成果を上げる」(48.3%)だった。これらも他業種と同順位となっている。
「現在、一般社員に期待されていること」は、「チームで協力して成果を上げる」(69.7%)が最も多かった。2位は「自ら現場で判断し、行動する」(67.0%)、3位は「非定型的な業務、プロジェクト型の業務で役割を遂行する」(63.7%)となっている。
製造業で10年前から特に大きく減少したのは、「定型的な業務を確実に遂行する」(−42.6ポイント)、「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」(−12.0ポイント)、「個人として成果を上げる」(−8.6ポイント)だった。
大きく増加した項目を見ると、「非定型的な業務、プロジェクト型の業務で役割を遂行する」(+52.4ポイント)、「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」(+47.9ポイント)などとなっている。10年前と比べて臨機応変な対応が求められる中、チームワークを重視しながら、時にはリーダーシップを発揮することが求められていると言えそうだ。
ただ、一般社員が期待されている姿と現在担っている役割の実態にはギャップがあり、「周囲を巻き込みリーダーシップをとる」(41.9ポイント差)、「非定型的な業務、プロジェクト型の業務で役割を遂行する」(35.3ポイント差)、「自ら現場で判断し、行動する」(32.0ポイント差)については、他業種と同様、特に大きな乖離が見られた。
実際に現在の一般社員が担っている役割を見ると、トップ3が「定型的な業務を確実に遂行する」(58.7%)、「チームで協力して成果を上げる」(49.3%)、「上位層の方針や判断をこまめに確認し、行動する」(47.6%)となっており、期待される姿と一致する部分と、変化を求められる部分とが混在している。
「一般社員に期待されることが変化した理由」を3つまで選んでもらったところ、「状況の変化が速くなった」(60.4%)が最も多かった。これは他業種でも1位だったが、製造業は他業種に比べ3.9ポイント高くなっている。2位は「顧客やマーケットのニーズが多様化した」(41.6%)、3位は「チームメンバーの特性やレベル感が多様化した」(41.4%)だった。他業種との差が最も大きかった項目は「リモートワークの浸透により、単独で行動する機会が増えた」(11.5%)で他業種より12.0ポイント低かった。
「一般社員に期待されるスキルや知識のうち、10年前と比べて特に重視されるようになってきたと思うもの」は、「タイムマネジメント」(57.6%)が最も多かった。2位は「言語化する力(相手に合わせた表現で伝える力)」(45.5%)、3位は「IT、デジタルに関するリテラシー」(43.2%)だった。3位の「IT、デジタルに関するリテラシー」は、他業種では1位(56.5%)で、製造業の方が13.3ポイント低かった。
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