転職理由ランキング、1位は「給与が低い・昇給が見込めない」:キャリアニュース
転職サービス「doda」が「転職理由ランキング」を発表した。総合1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で、評価や昇給に関する不満が3位までを占めた。
パーソルキャリアが運営する転職サービス「doda(デューダ)」は2022年3月14日、「転職理由ランキング」を発表した。同調査の対象者は、2020年7月〜2021年6月の1年間に転職した、20〜59歳の男女正社員。そのうち768件の有効回答が得られた。「転職理由ランキング」の総合1位は、「給与が低い・昇給が見込めない」(35.0%)だった。
2位は「昇進・キャリアアップが望めない」(29.4%)、3位は「会社の評価方法に不満があった」(26.8%)となり、3位までを評価や昇進に関する不満が占めている。人間関係を理由としたものは10位以内に2つランクインしており、「社内の雰囲気が悪い」(26.7%)が4位に、「尊敬できる人がいない」(23.2%)が10位に入っている。
前年の調査では、新型コロナウイルス感染症拡大前の2020年1〜3月の1位は「社内の雰囲気が悪い」で、コロナ以降の2020年4〜6月の1位は「給与が低い・昇給が見込めない」だった。今回も、コロナ以降と同じ「給与が低い・昇給が見込めない」が1位となっており、コロナ下の転職では、外部環境に対する不満より個人的な目標が重視される傾向がうかがえる。
続いて、「転職理由」の11〜35位を見ると、12位が「意見が言いにくい・通らない」と「人間関係が悪い・うまくいかない」(同率18.7%)、14位が「個人の成果で評価されない」(18.2%)、15位が「ハラスメントがあった」(15.0%)となっており、12位から15位までを会社の風土や労働環境に関する理由が占めている。
ランキング最下位である35位は、「転勤が多い・転勤したくない」(3.8%)だった。これは、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けてテレワークの導入が進み、場所を問わない働き方が広がってきたこと、転勤制度の見直しが一部の企業で進んだことなどが要因とみられる。
男女別「転職理由」ランキング
「転職理由」ランキングを男女別に見ると、「男性の転職理由」は、1位から4位までが総合ランキングと同じ結果だった。5位以下についても、順位は異なるが、総合ランキングの5〜10位と同じ項目がランクインしている。「女性の転職理由」との違いは、女性のランキングではTOP10圏外の「社員を育てる環境がない」が、男性では5位に入っている。
「女性の転職理由」は、1位と2位は総合ランキングと同様だった。女性の4位にランクインした「離職率が高い」(24.4%)は、総合ランキングでは11位(21.5%)、男性ランキングではTOP10圏外で、女性の方が男性に比べて転職理由に離職率の高さを挙げる割合が高い傾向があった。
また、10位以内に入った項目は男性ランキングとほぼ変わらないが、順位には差が見られた。女性ランキングの3位「肉体的または、精神的につらい」(25.9%)は、男性では10位(23.2%)だった。
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