工作機械の自動扉に設置できる、小型セーフティエッジスイッチ発売:工作機械
IDECは、セーフティエッジスイッチ「E30BK1形」を発表した。小型のため、スペースが限られた工作機械の自動扉やAGVに設置できる。
IDECは2022年3月9日、工作機械などの自動扉に設置できる、小型のセーフティエッジスイッチ「E30BK1形」を発表した。同月10日から日本で先行発売する。
E30BK1形は、同社の安全リレーモジュール「HR6S-AK形」と組み合わせることで、感圧装置規格「ISO13856-2」、制御システムの安全関連部に関する規格「ISO13849-1」に適合する。これにより、自動扉を閉めるスピードを通常よりも速くできる。拡張モジュール「HR6S-EP形」を使用すれば、安全出力を拡張できる。
サイズは22×20mmと小型のため、省スペースで設置できる。ゴム部には、耐油性のあるNBR素材を採用。オイルミストが飛散する環境にも対応する。最小曲げ半径はR80となっており、より小型のAGV(無人搬送車)にも設置可能だ。
アルミチャンネルを取り外し、先に工作機械などに固定してから、センサーユニットを設置できるため、設置や交換がしやすい構造になっている。組み上がった状態のエッジスイッチを直接機械に取り付けることもできる。
設置場所に応じて、取り付けタイプを「標準」「スタッド」の2種から、配線タイプをAGV向けの「ハイキャップ」と自動扉向けの「ローキャップ」の2種から選択できる。端部連結接続パーツを用いれば、工作機械の自動扉の形状に合わせて、2連結接続にも対応。連結部も検出する。
同社では今後、第3者認証機関にてEC型式認証を取得し、E30BK1形をグローバルでも展開していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 世界に羽ばたく日本発の安全資格「セーフティアセッサ資格認証制度」とは?
注意を払っていても発生する事故――。製造業にとって工場やそこで使用する機械の安全性は避けては通れない大きなテーマである。こうした事故を防ぎ「安全な機械」を設計する日本発の資格制度が「セーフティアセッサ資格認証制度」である。本稿では、セーフティアセッサ資格制度の概要について紹介する。 - スマート工場化は次段階へ、AI活用の定着とアプリケーション拡大に期待
スマート工場化の動きは着実に広がっている。その中で2022年はAIを活用した「アプリケーションの拡大」をポイントにデータ活用のさまざまな形が広がる見込みだ。 - スマート工場は“分断”が課題、カギは「データ取得」を前提としたツールの充実
工場のスマート化への取り組みは2020年も広がりを見せているが、成果を生み出せているところはまだまだ少ない状況だ。その中で、先行企業と停滞企業の“分断”が進んでいる。新型コロナウイルス感染症(COVID−19)対応なども含めて2021年もスマート工場化への取り組みは加速する見込みだが、この“分断”を解消するような動きが広がる見込みだ。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - いまさら聞けない「マスカスタマイゼーション」
IoT(モノのインターネット)活用などで実現するスマートファクトリーの理想像とされる「マスカスタマイゼーション」。このマスカスタマイゼーションとは何かを5分で分かるように簡単に分かりやすく解説します。