脱炭素に加え「ウオーターポジティブ」目指す、マイクロソフトの環境戦略:脱炭素
マイクロソフトは2022年3月23日、同社が推進するカーボンニュートラルなど、サステナビリティに関する取り組みについての説明会を開催した。同社が企業のサステナビリティ対応向けに展開するクラウドサービスなども併せて紹介した。
マイクロソフトは2022年3月23日、同社が推進するカーボンニュートラルなど、サステナビリティに関する取り組みについての説明会を開催した。同社が企業のサステナビリティ対応向けに展開するクラウドサービスなども併せて紹介した。
脱炭素など4領域の目標達成を推進
マイクロソフトはカーボンニュートラルに関して、2020年代半ばまでにGHG(温室効果ガス)プロトコルが定めるスコープ1、2の排出量をほぼゼロにし、2030年までにはスコープ3の排出量を半減するという目標を掲げている。さらに2030年までにはCO2排出量よりも吸収量が上回る「カーボンネガティブ」を達成し、2050年までには創業以来マイクロソフトが排出してきたCO2の排出量を上回る吸収量を実現するとしている。2022年度にはCO2排出量を前年度比で約250万トン削減することに成功したという。
また、マイクロソフトは水資源を巡る社会課題解決にも取り組んでいる。事業における水消費量を削減するとともに、水需給が逼迫(ひっぱく)している地域を対象に水を供給する。これによってマイクロソフトは2030年までにグローバル事業全体での消費量を上回る量の水を供給する「ウオーターポジティブ」の実現を目指す。同社の施設内で水を提供できる箇所を設けるなど、水資源へのアクセスポイントも増やす計画だ。2021年度は130万m3以上の水供給を可能にするプロジェクトに投資を行ったという。
この他、廃棄物の削減や、生態系の保護に関するプロジェクトも展開する。廃棄物に関しては、廃棄資材やコンポーネントの再利用を推進し、プラスチックの使い捨てをゼロにする方針だ。生態系の保護については、2025年までにマイクロソフトが所有する敷地を上回る土地を保護する方針を打ち出している。
クラウドサービスも提供
マイクロソフトは企業や研究機関がカーボンニュートラルを達成するためのクラウドサービスも提供する。例えば、「The Planetary Computer」は、開発者や研究者向けに、リモートセンシングデータや気象データ、土地被膜データなど環境関連のデータにAPI連携で簡単に入手できる環境を提供する。
企業のサステナビリティ活動を管理するためのクラウドサービス「Microsoft Cloud for Sustainability」も提供する。企業など組織全体のCO2排出量に関連するデータをAPI連携によって入手できる。入手したデータをAI(人工知能)で分析することで、どの地域の排出量が多いかを把握することなどが容易になる。経営戦略の実現に向けたアクションにつなげやすくする。現時点で公開しているのはプレビュー版で、正式版は2022年前半にリリースする予定。
この他、Azureや「Microsoft 365」など、マイクロソフトのクラウド製品使用時のCO2排出量を可視化する「Microsoft Emissions Impact Dashboard」も無償提供する。サーバをオンプレミスからAzureに移行した場合の削減量を見える化するといった機能があるという。
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