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福島県沖地震で電子デバイス工場が操業停止、ルネサスや東芝、村田製作所など【追加情報あり】工場ニュース

2022年3月16日深夜に発生した福島県沖地震により、東北から関東にある半導体や電子部品など電子デバイスメーカーの工場の操業に影響が出ている。ルネサス エレクトロニクス、東芝デバイス&ストレージ、村田製作所、アルプスアルパイン、トーキンの状況をまとめた。

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 2022年3月16日深夜に発生した福島県沖地震により、東北から関東にある半導体や電子部品など電子デバイスメーカーの工場の操業に影響が出ている。3月17日時点でのルネサス エレクトロニクス、東芝デバイス&ストレージ、村田製作所、アルプスアルパイン、トーキンの状況をまとめた。

【追加情報】3月18日時点の各社の発表を追加しました。

【追加情報2】3月25日時点までの各社の発表を追加しました。

ルネサス エレクトロニクス

 ルネサス エレクトロニクスは、半導体前工程の製造子会社であるルネサス セミコンダクタ マニュファクチュアリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)と高崎工場(群馬県高崎市)、後工程を担うルネサス エレクトロニクスの米沢工場(山形県米沢市)の状況を発表した。那珂工場と高崎工場は、従業員の人的被害はないものの、地震発生後から操業を停止しており、生産再開の時期は設備などの被害状況を見ながら決定するとしている。米沢工場も地震発生後直後に操業を停止。従業員1人が打撲の軽傷を負う被害があったものの、3月17日午前8時の時点でテストの一部工程で生産を再開している。

3月18日の追加情報

 那珂工場と高崎工場は、3月17日から製造設備の立ち上げを開始するとともに一部工程(テスト工程)での生産を再開した。生産着工ベースで地震発生前の生産能力への復帰時期は3月23日を見込む。仕掛品の被害状況も、3月23日をめぢに概要を把握する予定としている。米沢工場は、3月18日から全工程で生産を再開しており、3月20日には生産着工ベースで地震発生前の生産能力に復帰する見込みだ。

3月23日の追加情報

 那珂工場は、3月23日をめどに生産着工ベースで地震発生前の生産能力に復帰する見込みだったが、一部製造装置の故障に伴う遅れが発生したため、3月26日に地震発生前の生産能力におおむね復帰する見込み。3月23日時点では、地震発生前の生産能力に対し約50%の能力に達している。高崎工場は、3月22日に全製造設備の立ち上げが完了し、3月23日に地震発生前の生産能力に復帰。米沢工場も、3月18日に全工程で生産を再開し、3月20日に地震発生前の生産能力に復帰している。

 なお3工場とも、地震当時に生産中だった仕掛品の一部で廃棄が発生している。生産ロスは、高崎工場が10日分程度、米沢工場が2日分程度で、那珂工場は精査中である。

東芝デバイス&ストレージ

 東芝デバイス&ストレージの半導体生産・開発拠点であるジャパンセミコンダクター 岩手事業所(岩手県北上市)は、従業員全員の無事と、建物・インフラの重大な破損などがないことを確認している。安全確認のため、地震発生直後から操業を停止し、生産工程、装置の状況について確認しており、現時点では、半導体製造装置の中核部品として用いられる石英などに大きな被害は確認されていない。3月17日夜から一部生産を再開する予定で、全面再開時期は決まり次第速やかに発表するという。

3月18日の追加情報

 岩手事業所において、従業員全員の無事と建物・インフラの重大な破損がないことを確認した。3月17日夜から、予定通り一部生産を再開しており順次稼働を拡大する方針。生産の全面再開時期は3月22日を予定している。

3月22日の追加情報

 岩手事業所は、予定通り3月22日から生産を全面再開している。

村田製作所

 村田製作所は、福島県沖地震の影響範囲に位置する。チップインダクターやノイズ対策フィルターなどを生産する登米村田製作所(宮城県登米市)、SAWフィルターなど高周波部品を生産する仙台村田製作所(仙台市泉区)、一次電池や二次電池を生産する東北村田製作所の郡山事業所(福島県郡山市)と本宮工場(福島県本宮市)の状況を明らかにした。3社4拠点とも建物や設備の一部に被害があり、操業に影響が出ており復旧作業中だという。ただし、東北村田製作所の郡山事業所と本宮工場は3月18日から順次生産を再開する予定になっている。

3月18日の追加情報

 登米村田製作所は3月21日から、仙台村田製作所は3月22日から、順次生産を再開する予定である。東北村田製作所の郡山事業所と本宮工場は3が値18日から生産を再開している。

アルプスアルパイン

 東北に多数の開発・生産拠点を構えるアルプスアルパインは、重大な人的被害はないものの、金型の設計加工や振動フィードバックデバイスを手掛ける古川第2工場(宮城県大崎市)、センサー、可変抵抗器、スイッチなどを生産する涌谷工場(宮城県涌谷町)、コンポーネント製品や高周波製品を生産する角田工場(宮城県角田市)の3拠点で断水や設備の破損などがあり生産を停止している。設備破損については復旧対応を進めているものの、断水への対応はインフラの回復次第になる見込みだ。なお、インタフェース製品を扱う小名浜工場(福島県いわき市)については、復旧対応中ではあるもののおおむね通常稼働できている。

3月23日の追加情報

 一部生産拠点で設備への被害があったが復旧作業は完了。既に稼働を再開している。

トーキン

 タンタルコンデンサーなどの電子部品を手掛けるトーキンは、仙台事業所(仙台市太白区)と白石事業所(宮城県白石市)で一部の設備や建屋に被害が発生しており、被害状況の確認と設備点検を進めている。両拠点とも電源は復旧しているが、安全確認のため一時稼働停止中だ。安全確認が取れ次第、順次再稼働する予定である。また、転倒による負傷者が1人確認されている。

3月18日の追加情報

 仙台事業所、白石事業所とも一部の設備や建屋に被害が発生していることを確認し、復旧作業を進めている。また、安全確認がとれた生産ラインから順次稼働を再開している。出荷システムには影響がなかったため、製品の品質を確認の上で順次出荷を開始する。ただし、地震による輸送機関の乱れなどにより納期遅延などの影響が出る可能性がある。

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