ニュース
ドローンや搭載物を落下の衝撃から守る、緊急パラシュートシステム:ドローン
日本化薬は、産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」の販売を開始した。さまざまなドローンに搭載可能で、異常時も安全に降下して機体本体や搭載物を保護し、人や設備への被害も抑える。
日本化薬は2022年2月15日、産業用ドローン向け緊急パラシュートシステム「PARASAFE」の販売を開始した。空撮、物流、点検、測量ドローンに搭載することで、異常が発生した場合でも安全に降下して、機体本体や搭載物を保護し、人や設備への被害も抑える。
PARASAFEは、ドローンの落下を検知すると、遠隔操作で瞬時にパラシュートを展開し、ドローンを安全に降下させる装置だ。パラシュートの展開技術には、同社が長年携わってきたエアバッグ用ガス発生装置を応用している。
外形寸法は130×154mm、パラシュート面積は11m2。重量はパラシュートデバイスが930g、トリガーデバイスが120gとなっている。展開高度は30〜150mで、総重量25kgで飛行していた場合の降下速度は理論値で6m/秒だ。誤作動を防ぐための安全ピンを備え、通電回路を遮断している。なお同社では、15kg、50kg、150kgドローン向けのパラシュート製品を開発中だ。
ドローンは、2022年度中に有人地帯目視外飛行(レベル4)の達成が予定されている。同社はドローンの普及と安全性向上に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ドローン用緊急パラシュートを日本化薬が開発、空飛ぶクルマにも技術展開
日本化薬は、「Japan Drone 2021」において、ドローンが故障した際の落下速度を低減するドローン用緊急パラシュートシステム「PARASAFE」を披露。さらに、空飛ぶクルマ用となる「T2コンセプト」も公開した。 - 1万℃の高熱から貴重なサンプルを守れ!〜再突入カプセルの仕組み【前編】〜
いよいよ、小惑星探査機「はやぶさ2」が帰ってくる。2回のタッチダウンで取得したサンプルを地球に送り届ける最後の関門となるのが地球大気圏への再突入だ。そのために使われる「再突入カプセル」とは、どのような装置なのだろうか。 - 2つの改良でより確実なサンプルリターンへ〜再突入カプセルの仕組み【後編】〜
いよいよ、小惑星探査機「はやぶさ2」が帰ってくる。2回のタッチダウンで取得したサンプルを地球に送り届ける最後の関門となるのが地球大気圏への再突入だ。そのために使われる「再突入カプセル」は、はやぶさ初号機と比べ主に2つの点で改良が施されている。 - エアバッグの前に付く「SRS」の意味を理解しよう
今や「装備されていて当たり前」の安全システムとなったエアバッグについて、今回から3回に分けて解説する。エアバッグの前に付く「SRS」には、エアバッグの根幹を成す極めて重要な意味があった。 - エアバッグ展開時の衝撃力はウサイン・ボルトの全力タックルと同じ
自動車の安全システムとして知られるエアバッグだが、エアバッグが展開する際のさまざまなリスクはあまり知られていない。エアバッグ3部作の最終回である今回は、エアバッグ展開のリスクやエアバッグ搭載車についての注意点を紹介する。 - 成層圏から人間がマッハ1.2でスカイダイブ! 耐えろ
気の遠くなるような高さから人間が超音速でダイブした! ――米国フロリダ州オーランドで開催中である米ソリッドワークスのプライベートイベント「SolidWorks World 2013」で、Red Bull Stratosを仕切った技術者らが登場し、その開発について語った。