昭和電工が持ち株会社制移行で旧日立化成と事業統合、新社名は「レゾナック」に:製造マネジメントニュース
昭和電工は、2023年1月をめどに、同社とグループ会社の昭和電工マテリアルズ(SDMC)を統合した持ち株会社制への移行について検討と準備を開始すると発表した。また、持ち株会社制移行後の新社名として、持ち株会社を「株式会社レゾナック・ホールディングス」、事業会社を「株式会社レゾナック」とすることも決めた。
昭和電工は2022年3月9日、2023年1月をめどに、同社とグループ会社の昭和電工マテリアルズ(SDMC)を統合した持ち株会社制への移行について検討と準備を開始すると発表した。また、持ち株会社制移行後の新社名として、持ち株会社を「株式会社レゾナック・ホールディングス」、事業会社を「株式会社レゾナック」とすることも決めた。
昭和電工は2019年12月に日立化成の買収を発表。TOB(株式公開買付け)を含めた約9600億円での買収完了後の2020年10月には、日立化成の社名をSDMCに変更している。ただし、これまでのSDMCは、昭和電工が議決権を100%保有するHCホールディングスの完全子会社という位置付けだった。今回の持ち株会社制への移行は、この複雑なグループ体制を解消するとともに、昭和電工とSDMCの統合シナジーを早期に実現する狙いがある。
持ち株会社制への移行では、まず昭和電工を分割会社としてSDMCに昭和電工の全事業を承継させる会社分割を行う。その後、HCホールディングスとSDMCを合併し、SDMCを分割会社として資産と負債の一部を昭和電工に承継させる会社分割を想定している。これらの移行作業が完了後、持ち株会社となる昭和電工の社名をレゾナック・ホールディングスに、事業会社であるSDMCの社名をレゾナックに変更する計画だ。
なお新社名となるレゾナック(RESONAC)は、英語で共鳴する、響き渡るという意味を持つ「RESONATE」と、化学の「CHEMISTRY」の頭文字「C」を組み合せることから生まれたという。「当社グループの持つ幅広く自在な先端材料テクノロジーと、パートナーの持つさまざまな技術力と発想が強くつながり一つの未来に向かって大きな『共鳴』を起こし、その響きが広がることでさらに新しいパートナーと出会い、社会を変える大きな動きを創り出していきたいという強い想いを込めている」(ニュースリリースより抜粋)。
新社名のロゴデザインでも、「R」に右上がりの2本線を施し、共鳴から生まれる共創のシンボルとし、共鳴の輪が広がりともに未来へ挑戦する姿勢が表現されている。
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