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昭和電工がSiCエピウエハーをロームに供給、インフィニオンに続いてFAニュース

昭和電工は、ロームとの間で、パワー半導体向けのSiC(シリコンカーバイド)エピタキシャルウエハー(以下、SiCエピウエハー)に関する複数年にわたる長期供給契約を締結したと発表した。

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昭和電工のSiCエピウエハー
昭和電工のSiCエピウエハー 出典:昭和電工Webサイト

 昭和電工は2021年9月13日、ロームとの間で、パワー半導体向けのSiC(シリコンカーバイド)エピタキシャルウエハー(以下、SiCエピウエハー)に関する複数年にわたる長期供給契約を締結したと発表した。

 今回の長期供給契約の締結は「当社の優れた品質と安定供給体制をご評価いただいたもの」(昭和電工)だという。SiCパワー半導体の開発を進めるロームとの間で、SiCエピウエハーの特性均一性(ウエハーの特性を決める窒素の添加が均一にできていること)や低欠陥密度(1cm2当たりの欠陥の数)などの向上に向けた技術的な協力関係をさらに強化するものになる。

 昭和電工は2009年にSiCエピウエハーの事業を立ち上げた。システムサーバ電源や鉄道車両、太陽光発電システム用インバーター、EV(電気自動車)の高速充電スタンド用コンバーターなどさまざまな用途での採用があり、自社推定で「世界最大のSiCエピウエハー外販メーカー」であるとしている。

 近年の採用事例では、2021年5月にSiCデバイスメーカー大手のインフィニオン(Infineon Technologies)との間で、パワー半導体向けのSiCエピウエハーに関する2年間の長期販売と共同開発に関する契約を締結している。また2020年12月には、デンソーのFCV(燃料電池自動車)向け次期型昇圧用パワーモジュールに、昭和電工の直径6インチ(150mm)のSiCエピウエハーが採用されたことを明らかにしている。

 SiCエピウエハーは、SiCを単結晶成長させたインゴッドを切断研磨して得たバルクウエハー上に、CVD(化学気相成長)法などでエピタキシャル薄膜を成長させたものである。EV向けインバーターなど大電流を流す用途のSiCデバイスは大面積が必要であり、その中に動作に影響を起こす欠陥が存在しないことを求められる。昭和電工は2019年8月、第2世代高品質パワー半導体用SiCエピウエハー「HGE-2G」を開発するなど、SiCエピウエハーの高品質化に努めてきた実績がある。

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