フォトンカウンティングCTが日本での製造販売認証を取得:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアは、低被ばくと高分解能を両立するフォトンカウンティング検出器を搭載した次世代CT「NAEOTOM Alpha」の国内における製造販売認証を取得した。新型コロナウイルス感染症患者の肺炎症状などを、高精細な画像で診断できる。
シーメンスヘルスケアは2022年2月17日、フォトンカウンティング検出器を搭載した次世代CT「NAEOTOM Alpha(ネオトム アルファ)」の国内における製造販売認証を同年1月26日に取得したと発表した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の肺炎症状などを、高精細な画像で診断できる。
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NAEOTOM Alphaに搭載するフォトンカウンティング検出器は、Siemens Healthineersと日本の子会社で半導体メーカーのアクロラドが共同で開発。従来のCT検出器のようにX線を可視光に変換する必要がなく、各X線光子(フォトン)を電気信号に直接変換して測定できる。
また、光子を個別にカウントすることで解像度が高まり、従来のCTでは難しかった血流や骨の識別も可能になった。
従来のCTでは失われていたエネルギー情報を可視化するため、骨折した断面の炎症の有無も確認できる。こうしたエネルギー情報から体内の物質を特定し、関心領域を遮るものを画像から削除できる。
電気ノイズを完全に排除でき、被ばく線量を低減して安定した画像を提供する。例えば副鼻腔検査では、従来のCTと比べて、線量が約100分の1程度となる。70cm以上の広範囲の領域でも0.9秒で撮影が完了し、被ばく線量を低減できる。
低被ばく、高分解能、エネルギー情報の可視化を同時に可能にしたことで、新型コロナウイルス感染症患者の肺炎症状を正確に診断できる。狙った場所に血流があるかどうかをエネルギー情報から表現することも可能だ。
Siemens Healthineersは、2021年にフォトンカウンティング技術を搭載したCTを発表。既に、世界20施設以上で臨床応用されている。
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