包装ラインでAIと人の感性を融合、「クオリティAIチェッカー」のデモ実機を披露:JAPAN PACK 2022
日本包装機械工業会の事業組織であるIoT研究会は、包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2022」において「クオリティAIチェッカー」のデモ実機を披露した。
日本包装機械工業会の事業組織であるIoT研究会は、包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2022」(リアル展、2022年2月15〜18日、東京ビッグサイト)において、「クオリティAIチェッカー」のデモ実機を披露した。
東京都立産業技術研究センターのIoT支援事業の下で2019年4月に発足したIoT研究会は、前回の「JAPAN PACK 2019」において「包装産業界の課題を解決に導くIoT提案」と題したパネル展示を行っている。今回展示したクオリティAIチェッカーは、JAPAN PACK 2019で提示した生産現場で起きている課題のうち、品質向上、技術伝承、人材不足を解決するための提案であり、AI(人工知能)と人の感性の融合がコンセプトになっている。
クオリティAIチェッカーのデモ実機は、クッキーのピロー包装を行う前工程として焼き具合をAIカメラで検品するシステムの位置付けだ。良品としてすり抜けた不良品のクッキーについては熟練者が検品を行い、その検品結果をAIが学習することでより良い検品が行える仕組みになっている。
システムは「熟練者認証装置」「センサー装置」「自動排除装置」、そして検品者の4つの要素で構成されている。「熟練者認証装置」では、カメラを用いた顔認証により熟練検品者と経験の浅い検品者の認識を行う。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応するため、マスクを着用した状態での顔認証が可能で、同時に体温データも測定する。
「センサー装置」は、クッキーの焼き具合を判定するAIカメラと、熟練検品者の検品工程の前後に設けた通過センサーで検品の結果をAIカメラのアルゴリズムにフィードバックする仕組みになっている。「自動排除装置」は、AIカメラによって不良品と判定したクッキーをライン外に排除する装置だ。
熟練検品者の検品結果を繰り返し学習することで、後工程におけるピロー包装のムダを削減できる。「AIカメラによる検品は、焼き色だけでなく高さや大きさも学習できるようにして、さらに精度を高めていきたい」(IoT研究会の説明員)という。
なお、クオリティAIチェッカーについてはIoT研究会として特許出願中とのことだった。
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