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知能化、省メンテナンス性が加速する包装機器、“紙化”の流れも加速へJAPAN PACK 2019(1/3 ページ)

2019年10月29日〜11月1日に千葉県の幕張メッセで開催された包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)」。「きっとみつかる、あなたの包程式」を開催テーマとし、450社以上が包装機器や新たな包装プロセスなどを紹介した。包装機器業界における新たな傾向について、開催期間中に発表された「JAPAN PACK AWARDS 2019」の受賞製品を中心に紹介する。

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 2019年10月29日〜11月1日に千葉県の幕張メッセで開催された包装プロセスの総合展示会「JAPAN PACK 2019(日本包装産業展)」。「きっとみつかる、あなたの包程式」を開催テーマとし、450社以上が包装機器や新たな包装プロセスなどを紹介した。包装機器業界における新たな傾向について、開催期間中に発表された「JAPAN PACK AWARDS 2019」の主要受賞製品を中心に紹介する。

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「JAPAN PACK AWARDS 2019」の主催者展示の様子(クリックで拡大)

SDGsなど環境経営の影響を色濃く受ける包装業界

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日本包装機械工業会会長の大森利夫氏

 日本包装機械工業会では2011年から「JAPAN PACK」の価値を高めるために、包装産業を進展させる新しい技術や製品を表彰する「JAPAN PACK AWARDS」を開催してきた。日本包装機械工業会会長で大森機械工業の代表取締役社長兼CEOである大森利夫氏は「展示会の意義が問われる中で優れた新製品を集める場とするためにJAPAN PACK AWARDSを作った。2019年は5回目となるが、新たな製品や技術が出てくる仕組みとして一定の手応えを感じている」と語っている。

 2019年の受賞製品の傾向として、審査委員長の槌屋治紀氏は「SDGs(持続可能な開発目標)などの影響を受け、環境対応やCO2削減への取り組みが広がった印象だ。また、マイクロプラスチック問題から、プラスチックから紙への流れも感じた」と述べている。

 今回の受賞製品は、大賞が大森機械工業の「エコロジーコンセプトライン」、優秀賞が川島製作所の縦ピロー包装機「KBF-6000X2」、東京自働機械製作所の「TWFX型縦型ピロー包装機」、マスダックマシナリーの「全自動どら焼機」、東洋自動機の自動充てん包装機「TT-12CR」となる。その他、優良賞6製品、省資源賞2製品、省力化賞4製品、安全・安心賞1製品、自動化賞2製品、高速化賞1製品、環境・衛生省2製品、省エネ賞1製品、IT技術賞1製品が選ばれている。

 大森氏は「会長企業として大賞を受賞してしまったのは心苦しい面もあるが、展示会を盛り上げるためにそれだけ気合いを入れてきた証しでもあると考えている」と語っている。ここからは大賞と優秀賞を受賞した製品について特徴を紹介していく。

“紙トレイ”の自動組み立てを行う大森機械工業「エコロジーコンセプトライン」

 大賞製品である大森機械工業の「エコロジーコンセプトライン」は、マイクロプラスチック問題など環境問題に大きな関心がある一方、消費の多様化による個食や個包装への需要が高まっているという相反するニーズに対し、包装を通じて課題解決を目指したものである。

 具体的には「紙を使用しかつホットメルトを使用しないトレー製函機」「プラスチック使用量削減対策のために紙フィルムを使用した横ピロー包装機」「ロボットで単純作業+1作業を行う」を組み合わせて、紙トレイを自動で組み立て、紙フィルムに包むという作業を自動で行う。

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ホットメルトを使用せず紙を組み立てるトレー製函機(クリックで拡大)

 ホットメルトを使用しない紙製容器の素材は凸版印刷が開発。ホットメルトを使用しないためにそのまま電子レンジに入れてあたためることができるのが特徴である。「マイクロプラスチックの問題により、包装業界にも脱プラスチックへのニーズは高まってきている。コスト面はどうしても高くなるが、自動化を進めることで効率化が実現できる。技術面ではほぼ課題はクリアできつつあるので、ユーザー企業のニーズを見極めて可能性を探っていく」(大森機械工業)としている。

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紙トレイの使用イメージ(クリックで拡大)

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